色欲公爵ノ歪ンダ愛情〜ヴェノマニア公の狂気〜�� ページ36
ヴェノマニアは、倒れた。
胸元を抑えて、うずくまる。
その胸元は、赤く染まっている。
「カーチェスさん、いったい何を…」
Aが彼に聞く。
正直、Aは驚いていないように見えた。
どうやって、と聞いただけだ。
前もそうだった。
イヴさんが茶髪の女を殺したときも、平然としていた。
いったい…何があったんだ？
「刺した」
カーチェスさんは金色のナイフを見せた。
刃は、赤く染まっている。
まさか…こんなにすぐ殺してしまうなんて。
というか…まさか、俺たちが女じゃないと気づかないなんて。
俺たちは、さっさと鬘を脱いだ。
「君たちは、女性の保護を頼む！」
俺たちは一つ一つ部屋の戸を開けて、逃げてください、と叫ぶ。
女性は我に返ったように、逃げていく。
「ルカーナ…メイリス…ミクリア…！待ってくれ…」
もちろん、待つわけもなく逃げていく。
本来、それが正解だ。でも…
所詮、女の愛はこんなものなのか、なんて思ってしまう。
「茅野さん！奥田さん！」
Aの声の先には、二人がいた。
大丈夫、全然元気そうだ。
「よかった…無事だったんだね」
「ほら、さっさと行かないと」
俺たちは階段を登る。
…だが、まだ下には緑の短い髪の女性がいた。
「グミナさん！早く！」
茅野ちゃんが叫ぶ。
グミナ、という女性もちらっとヴェノマニアを見てから走り出した。
「グミナ…グミ…ナ…！」
ヴェノマニアは叫ぶ。
でも、振り返らずに走った。
「僕は、君が…好…」
その先は、聞き取れなかった。
結局、カーチェスさんは街では英雄呼ばわりだが、一応の罰を受けることになったらしい。
幸い、俺たちには罰は与えられなかった。直接手を下していないから、だそうだ。
「君たちは、どうするんだい」
「僕たちは、もう少しベルゼニアにいるつもりです」
渚くんが答えた。
すると、彼は嫌そうな顔をした。
「…やめたほうがいい。今、ベルゼニアでは悪食娘がいると聞く。
ここは離れているからまだしも…」
「大丈夫です！よし、行こう！」
茅野ちゃんは、誘拐されたというのに明るい。
もともとの性格というのは、かなり大きい。
カーチェスさんはため息をついた。引き止めるのは無理と判断したようだ。
「気をつけてくれよ」
彼の言葉に見送られ、俺たちはコンチータ領へと足を運んだ。
様々なものを喰らい尽くすという、女のもとへ。
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マリー(プロフ) - 入右未来さん» いえいえ、駄作でほんと済みません(泣)でもこれからも頑張りますね！ (2015年4月13日 16時) (
レス) id: cd92c848e2 (このIDを非表示/違反報告)
入右未来(プロフ) - 大好きな2つの作品のコラボが読めて、とても嬉しいです！ありがとうございます。 (2015年4月13日 0時) (レス) id: 99a240abd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリー | 作成日時：2015年3月7日 8時
