迷イシ哀レナ双子〜置き去り月夜抄〜�� ページ21
一応はガラスの小瓶のおかげで歩けている。
ただ…問題は体力だ。
さっきから手をつないで歩いているAが、かなり疲れているようなのだ。
まあ、もともと体力がないから、当たり前だろう。
すると、前を歩いていたヘンゼルとグレーテルが急に足を止めた。
「…魔女」
グレーテルの言葉には、恨みが込められている気がした。
そして、グレーテルの指差した先にあるのは、木の家だった。
「…ここは、魔女の家」
「魔女がいたら、幸せになれない」
「魔女の家には、魔女の子分もいる」
「悪は、懲らしめなくては」
ヘンゼルとグレーテルは呟いた。
前を向いたままの双子は、ふいに振りかえると、
「…今から、魔女を倒す」
…え？
魔女を倒すだって？
確かに、「ヘンゼルとグレーテル」もそんな結末のものもあった。
そちらをなぞらえた、ってことか。
「待って、そんなことしたら…」
渚くんが止めようとする。
でも、恐らく無駄だ。
さっきの呟きには、限りない恨み、憎しみ、怒りが込められている。
ここで思いとどまるような二人じゃないだろう。
「…大丈夫。すぐ、終わる」
そう言って、双子は家に入っていった。
「ヘンゼルとグレーテル、大丈夫でしょうか…」
奥田さんの声に、杉野が答えた。
「大丈夫だよ！それに、悪い魔女かもしれないし」
いや、悪いからどうにかなる問題ではない。
それに、一つ気になっていることがある。
「魔女っていうのは、たぶんイヴさんだ」
「えええ！？」
まあ、驚くのは想定内。
だから、俺はさらに言った。
「理由はまだわからないけど、童話だと父親、母親を殺していたり、
父親と再開したとき母親はすでに病気で死んでいたりする」
まあ、確証はないからどうしようもない。
そうか、イヴさんがいるならアダムさんもいるだろう。
彼が子分、ってわけか。
やっとわかってきたが…Aには限界が近づいているようだ。
「A、大丈夫？」
かなり疲れているようだっから、軽く聞いただけ、だったのに。
まさか、こんな返事が返ってくるとは思わなかった。
「所詮、魔女は悪なんだね…必要ないんだね」
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マリー(プロフ) - 入右未来さん» いえいえ、駄作でほんと済みません(泣)でもこれからも頑張りますね！ (2015年4月13日 16時) (
レス) id: cd92c848e2 (このIDを非表示/違反報告)
入右未来(プロフ) - 大好きな2つの作品のコラボが読めて、とても嬉しいです！ありがとうございます。 (2015年4月13日 0時) (レス) id: 99a240abd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリー | 作成日時：2015年3月7日 8時
