国見の彼女、死んだってよ。

１４ 及川side ページ14

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相良Aと国見英は、よく似ている。

主に、相手の為に、自分が傷付くのを厭わない、という点において。

二人ともそれが空回っていて、このまま落ちるは泥沼だ。
誰も幸せにならない泥沼に、誰でもない自分の手で落ちようとしている。

それが、互いの為を思っての結果だと言うのだから、皮肉なモノだと及川は思う。



国見ちゃんは、記憶が戻っている。

それは既に自分の中では確定事項であった。ならそれをひた隠しにしている理由は何だとかんがえれば幾らかの想像は付く。

彼は優しいから。
だからこそ、その方向に考えてしまう。

傷付けた相手を癒す為にそこに居るのではなく、もう傷つけない為に離れるという道を選ぶ。

何より彼女は彼と離れることに傷付いていると言うのに。




「馬鹿だねぇ、国見ちゃんもAちゃんも」


後輩の背中を押すのは、先輩の役目ですからね。
一肌脱ぎますか。

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