去りゆく時間 ページ26
それからカルマと他愛の無い話をしながら待機させてあるバスに乗り込む。マスコミに囲まれそうになったけど五英傑が助けてくれたのでなんとかなったよ。
座席に座ってカエデと話す。
「高校違うけどまた遊ぼうね!」
『うん!楽しみだね』
カーテンの隙間から外を眺める。
ふふっ…あんなに泣いたのにまた涙が出そうになったよ。
さよなら、殺せんせー。
さよなら…椚ヶ丘中学校!!
思い出の学び舎に別れを告げ、静かにカーテンを閉めた。
そこからは…色んな事があった。
E組校舎は私達限りで閉鎖され、生徒を危険にさらしたとして椚ヶ丘学園は糾弾された。
E組のシステムも問題視され廃止に。
理事長は…学校の経営権を手放さざるをえなくなったけど…あの人の場合また何処かで教育の仕事を始めるでしょう。
三百億の賞金は速やかに私達に支払われた。
烏間先生曰く…国からの足止めの意味もあるだろう。
『お、お金…キラキラ』
「…A…近い」
私達は話し合い、殺せんせーのアドバイスブックも参考にし学費と将来の一人暮らしの頭金ぐらいを頂いた…。
色んな所に寄付して皆でひとつだけ…大きな買い物をして、
残りは一年間の支援への感謝として国に返還。
烏間先生…烏間さんの株が上がることだろう。
その夜、私はカルマと近くの公園のジャングルジムに登って月を見ていた。
月は少しずつ崩壊を始めていた。
『…寂しくなるな…』
「近所なんだからいくらでも会えるよ」
『カルマとはね。…皆と会えなくなるのが寂しいの』
ジャングルジムから飛び降り月を見上げた。
一年の象徴だった三日月も徐々に形を忘れていく。
「……ねぇ、A」
『…なぁに?』
「高校を卒業してお互いに夢を叶えられて仕事が落ち着いたら……、」
「…俺と____しよ?」
その時のカルマの顔を私は一生忘れないだろう。
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祭り花 - 泣けてきました。まさに、私が求めてきた作品!応援してます。 (2021年12月20日 23時) (レス) @page33 id: ace33ee89c (このIDを非表示/違反報告)
リラパス(プロフ) - 一週間ほどかけて一気見しました!最後は顔がぐちゃぐちゃになってました(笑)最高の作品をありがとうございました‼︎ (2021年9月30日 23時) (レス) id: 6be6aa8389 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - あああ、両想いって自覚してからのカルマとのイチャイチャ見たい見たい見たい見たい(以下略)というわけで、更新待ってます!頑張ってください! (2021年9月4日 23時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリ | 作成日時:2021年8月14日 13時