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『じゃぁ、占って貰えるとしたら何占って貰う?』

話しに戻って岸くんの横顔をチラリとみた

「そーすね、、、やっぱり恋愛ですかね」

へぇ

『そうなんだ。なんか悩んでるの?』

「ですね。結構長く片思いしてますんで」

そっか、そうなんだ

『なんか、動いたりしないの?』

「んー相手に彼氏がいてもいいと思いますか?」

なるほど、それで片思いか

『そうだね…別にいいんじゃないかなー。絶対に駄目でしょそんな事!とは言えないよね。うん。結婚してるとかって訳でもないんだったら…』

岸くんは真っ直ぐ前をみて何も答えない

駅の改札はもうすぐそこだ

『じゃぁ、送ってくれありがとうね』

「いえ…」

『お疲れ様』

パスケースを取り出していこうとした所で呼び止められた

「Aさん!」

『ん?』

「俺…頑張ってもいいですか?」

え?

深く被ったキャップから覗く瞳が
真っ直ぐに私を見つめてくるから
すぐに逸らしてしまった

『えと、あ、ごめん電車くるから』

ICカードをかざして改札をくぐり抜けて
一気に階段を駆け上がった

まもなくしてやって電車に乗り込む

さっきの…あの言葉はどういう意味だろう
誰かに片思いしてて、私に頑張っていいかと許可をとる、そんな事もある?

あるか

あるある

私もほら彼氏いるしね
同じ状況な人に背中を押してもらいたい
そういう事あるある

なんかドキドキしてるのは

階段を駆け上がったから

岸くんに見つめられたから

なんて事はない

だけど、もし彼との腐れ縁みたいな仲が…
本当に終わりを迎えたら


この気持ちにもう
向き合っても許される

車窓に映る自分に向かって
心の中でそう呟いた

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作者名:Riri | 作成日時:2022年9月16日 8時

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