Shooting star (ページ5)

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『ねぇ、廉くん？』

「んー」

『これさ、』

「うん」

『行きは楽だけど、帰りしんどいんじゃない？』

「あ、バレた？」

そんなのどんなアホの子でもわかるやろ…

「まぁ、帰りはアイス食いながらのんびり帰ろや」

それも悪くないもかな

『あっ！財布忘れた！！』

「お前なー！最初から持って来る気なかったやろ？」

しゃーないな！っていいながらハーフパンツのポケットから小銭をだして私の分も払ってくれた

廉くんはアイス片手に器用に自転車を押している

食べ終わるとアイスの棒を咥えたままだったから

『ビニールあるから捨てんで？』

と手を差し出せば

顔だけこちらを向けて

「ん」

と口に咥えたまま差し出された

今日だけで何度この人にときめいただろうか
…

既に両手では足りないくらいじゃなかろうか

どうにも落ちつかなくて夜空を見上げた

『星凄いね』

毎年夏になったらここに来てたけど
こうして廉くんと2人で夜出かける事なんて
なかったもんな

せいぜい庭で弟妹達も一緒に花火をするくらいで

それも21時になれば私も一緒に家に入るわけで

『流れ星流れへんかな？』

「みたいん？」

『うん』

「ちょおチャリ押してや」

廉くんからからそう言われサドルに手を伸ばす
少しだけ指先が触れただけでまたドキドキと心臓がなり始める

廉くんはそんなの全然お構い無しに
スマホ開いてみてる

誰か友達からでも連絡が来たのかな…

「お！！12日の夜からペルセウス座流星群が見れるねんて！！」

『そうなん！みたい！！』

「んーーそうなん？」

『うん！！』

｢ほな…しゃーないから、付き合ったるわ！」

『ほんと？』

「しゃーなし、やで？」

廉くんはそんな風に言うけど
わざわざ調べてくれて
そうな風に言うんだもん

ほんとは優しいくせに

ツンデレ

ほんと廉くんってツンデレやんな

ツンデレンレン

思わず口をついて出てしまった

「ん？なんか言うた？」

よかったちゃんと聞こえてはなかった

『約束やで？』

そう言ったら

「おん！」

そう言いながらまた頭をグリグリと撫でられた

「お子ちゃまははよねーや！おやすみ！」

そう言って隣の家へと帰っていく
細い背中

だから…

子供扱いせんといてって