Shooting star (ページ4)

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地元に戻れば沢山人は居たけど
同じ中学にも、高校にも、街を歩いていても
廉くんよりカッコイイ人なんて
いないように思えた

そして、1年みない間に廉くんはまた一段とカッコよくなっていた

それはもう悔しいくらいに

「なぁ、アイス食いたない？」

『食べたい！！』

フハッって廉くんが笑う
しまった勢いありすぎた？？
どんだけ食いたいねん？アイス
思った？？

「いこか？買いに！！」

よっこっいしょと廉くんが立ち上がる
私もと立ち上がろうとしたら、足が痺れて
立ち上がる事ができない

それに気がついた廉くんが

足を伸ばして私の痺れた足を遠慮なくつついてくる

『もう！ちょっと！やめてやー』

そう言ってるのに

「こうしたほうがはよ治まるねんて！」

とかなんとか言いながら
めちゃくちゃ笑いながら容赦なく踏んでくる

ほんっっっと、意地悪だ

たけど、その笑い方

嫌いじゃないねん

『ねぇ、廉くん、アイスなんてどこに買いに行くん？』

スーパーはこの時間もう閉まってるし

「ふふん！コンビニできてん！！」

『そうなん！やったやーーん！どこに？』

「小学校の近く」

『え？遠いやん』

「チャリやったらそない遠ないって」

『いや、私のチャリないし！』

「後ろ乗ったらええやろ！」

はよ行くで！しまってまうー！
そう言って廉くんはチャリを取りに走っていった

まって…コンビニ24時間ちゃうん？！

ママちゃりに跨った廉くんが顎を使って
早く後ろに乗れと急かす

後ろの席にお尻を乗せて
遠慮がちに廉くんのTシャツをつまんだ

「ちゃんと捕まれって」

そう言われても…

「危ないからマジで」

私の腕を取りぐるりと自分の腰に巻き付ける

「行くでーー」

ヨロヨロと走り出した自転車

「おっもた！！！」

『嘘！降りる！！止めてや！！』

こんな事なら夕飯あんなにいっぱい食べなきゃよかった

「うっそ」

「まぁ、そんなに？重ないから安心して乗っておけって」

そう言うと自転車はスピードを少し上げて進みだす

夏だというのに少しひんやりとした田舎の空気

廉くんのTシャツから微かに香るかおりは
洗剤か柔軟剤か

傾斜に差し掛かり滑るように降りていく自転車

見上げた空には満点の星が今にも落ちてきそうなくらいに瞬いている

今年は少し特別な夏になるかもしれない
そんな淡い期待を胸に廉くんの腰に回した腕に力を込める