Darling Darling 〜Y.Kishi〜

You are my Princess ページ20

Aさんは俺と付き合うようになってから、店に来る回数が減った。

「遠慮しないで来てよ！」
って言ったら、やきもち妬いちゃうから…って言ってた。 それを聞いて嬉しく思った。

だってそれは、俺の事好きだからでしょ？

閉店30分前…今日は土曜日なのに珍しくノーゲスト、Aさんにラインすると直ぐに返事きて、10分後にはお店にやって来てくれた。

「いらっしゃい」

休日のAさんは、いつもよりふんわりした感じがして可愛い。今日はこのままササッと閉めて、一緒に俺んちに帰って…

とか考えてると、扉が開く

「ゆーーーたくーーーん」

あぁ、今日はもう来ないかなって予想は外れた。既に出来上がってる、いつもの常連さんがやってきた。

「えーと、酔っ払いの入店はお断りしてるんで」

「またまたー！はい、はよビール！！」

はぁーって思わず口からため息がこぼれた。
この人が来ると長くなる…

「ねぇねぇ、ゆーたくん！次の月曜日さー私仕事休みなのー。どっかいかない？」

「いきませーん！」

「ええー？なんか予定あるの？」

「休みの日は家でゆっくりしたいじゃん」

「んーじゃぁ、お家遊びに行くーー」

「駄目でーす」

えーなんで？？とブーブー言いながら一杯目はビールは無くなった。

そんな話をしながらも俺はAさんの事ばっか気になって視線をおくるも彼女はこっちを見ない。

「おかわりぃー」

「いや、もうやめときましょ？」

そろそろストップかけないと、面倒な事になりそうだ

「後、一杯だけー！ね！！」

仕方ないなーとグラスにビールをそそぐ

『優太くん、私…帰るね…』

そう言ってAさんがテーブルにお金だけ置いて席をたった

俺は急いでビールを渡して、店の外出たAさんを呼び止める。

こっちを振り返らないで俯いてるから、回り込んで、小さい手をとる

「ごめんね？」

首を横に振って
『私のほうこそ、ごめんなさい。』
ってギュッ手を握り返してくれる

Aさんはあのお客さんが、苦手なんだ。
タイミング…悪かったよな…

ポケットからマンションの鍵を出してAさんに渡す、

「俺ん家で待っててくれる？」

ん、と頷いた姿が可愛いくて、ギュッってしてチュッってしたくなったけど、我慢した。

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