Darling Darling 〜Y.Kishi〜

あざとさと… ページ19

「ん…、口あけて」

そう言われて、私は小さく口を開く…

「ど？」

優太くんのまあるい瞳が私の顔を覗きこむ





『んーー！めっちゃ美味しい！！』

アツアツのイワシのフリット

優太くんは今日、常連さんと一緒に釣りに行き、小さいイワシを沢山釣ってきた。

そのまま私の家にきて、2人でイワシを捌いて、調理は優太くんにお任せだ。

「いやー、ガチでAさんが魚捌ける人で助かった！」

『や、イワシは手開きで捌けるからできるけど、他は自信ないよ？』

ジュワっと美味しそうな音をたてながら、手際よく次々にイワシのフリットがあげられる。

『あーでも、釣り。私も行きたかったなー』

「ほんと？」

くるんと目を丸くさせて私の顔を見る

「次は一緒に行きましょ！いや、ほんとAさんが『魚こわ〜い』とか言う人じゃなくてよかった…」

『そう？そっちのが可愛いんちゃうの？女の子としてわ』

「いや、駄目っすね！俺、そーいうあざといのん嫌い」

へぇ…わりとはっきりそう言う事言うんや

「だいたいね？釣りに来といて、魚怖いって、じゃぁ来なかったらよくね？って話でしょ！」

まぁ、そーだけど…

あざとい女の子は嫌いね…そー言ってる本人は、なかなかのあざとさを持ってると思うんだけどな…

ここぞっていう時に見せる笑顔の可愛いさの威力は半端ない。それを狙ってやってるのか、そーでないのか…男も女も関係なく彼には人を惹きつける魅力があるみたいだ。

廉なんか
優太、優太、うるさいし
しまいには、「俺の優太やからな！」
って…(笑)そんな仲なんかいって話やん？

「なに、笑ってるのー？」

あ、笑ってるのバレた…ちょっと恥ずかしい。

『えと、思い出し笑い』

山盛りになってきたフリットをお皿へ移し変える

『いや、廉がさー』

「Aさん？」

ん？と優太くんの方に顔を向けたら、チュってキスされた

「俺といる時は……他の男の事考えるの禁止……です」

って可愛い事を言ってくる

『男って……廉やで？』

「いや、男でしょ？」

男……まぁ、男には違いなんやけど、優太くんが焼きもち妬くような間柄には絶対になり得ない事は前にも話したんやけどな……


私も……ヤキモチ妬きやだけど、優太くんもなかなかのヤキモチ妬きやさんみたいだ…

You are my Princess→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す