Maybe Love You 【K&P】

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『お腹すいてる？』

「めっちゃ！腹ペコ！！」

『そっか』

冷蔵庫を空けて中身をみる、
冷凍してるチキンライスあったよね……
卵もあるし

『オムライスでいい？』

「俺作ろっか？」

私の傍らに立って卵に手を伸ばした

『できるの？』

「料理は結構得意！！いっぱい泳いで疲れてるでしょ？座っててー｣

そう言って手をとられると、ソファまで連れていかれた

「待っててね」

大きな手が伸びてきて、頭をポンポンって遠慮がちに優しく撫でてくれる

ヤバい……ちょっと泣きそうになった今


仕事はやり甲斐はあるけど、この歳になって下を纏めきゃいけない分、しんどい事が増えた……

恋愛も……けっして明るみになってはいけない関係性にもう疲れた

こんなに疲れてるのに、眠れない日が多くなった私は、会社の近くにあるホテルのプールで泳いで帰る日がだんだん増えていった

泳いでいると余計な事を余り考えなくて済むのと、
ちょっと眠りやすくなるから

頑張ってもなにも変わらない日常に疲れてた私には、彼のそのちょっとした行動が心にジワっときた

「はい！お待たせー！！」

チキンライスにふんわりと被さった卵の黄色

「ごめん、ちょっと破れちった」

ケッチャップの赤はニコちゃんマーク

『あはっ……可愛い。ありがとう。』

「どーいたしまて。こんなんでよければいつでも作るよ」

口いっぱいにオムライスをほおりこんだ彼のほっぺたが膨らむ……

『あ、なんか飲み物……ビールでも飲む？』

「お茶でいっすよ。弱いし俺。」

「飲んじゃったら、おねーさんのして欲しい事してあげらなくなっちゃうかもだし？｣

バクバクって音がしそうなくらいの勢いで、オムライスを食べながら、私の顔見る

唇の端についた赤いケッチャップに指を伸ばした

『本当になんでもしてくれるの？』

喉仏が大きく上下して
私を真っ直ぐに見る

「うん」

って言った瞳がまた真っ黒で……少し戸惑った

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