【ONE PIECE】愛ショウナリ怨みカケル呪い

25話 ページ28

「＿＿＿ゃ、…







＿＿＿＿ちゃん…









Aちゃん！！」








「っ、！！




あ、ご…ごめんね、？






どうしたの？？」








「いや、ボウっとしてたから…






あ、もしかして…つまらなかった、かな…？」








何処か遠くを見つめていた彼女に向かって彼は声を掛ける







彼女の意識は何処か遠いところにあったらしい、彼の言葉がなかなか届かなかったようだ








コロコロと仔犬のように表情を変えながら、彼は彼女に問うた








「えっ…？





そんな訳ないじゃない！






せっかく貴方が考えてくれたプランなんだもの







楽しくない訳がないわ！」








「そ、そう…かな…？





えへへ、なら…よかった」








まっすぐと彼女に褒められた彼は少し照れた表情を浮かべながら頰を掻いた









「それで？






今から何処に連れて行ってくれるの？」







彼女は少しいたずらっ子のような表情を浮かべながら彼の前に回り下から見上げるように彼に問いかけた









「最近美味しいって有名な店があってね





是非Aちゃんにも紹介したいと思ってたんだ！







そこに行こうと思ってる、歩き疲れただろうし







晩ご飯の時間にはちょうどいいでしょ？」







彼は彼女の両頬を抑えながらニカッと笑って答えた







その一連の会話は、何処からどう見ても微笑ましいカップルだった








「じゃあ、行こう」






彼が彼女に向かって手を差し伸べる







「うんっ！」







その手に答えようと彼女は彼に手を伸ばした









.








.









.









.









.









.









パシッ







彼女が彼の手を取ろうと伸ばした白くてまろい手を、“彼”ではない別の男の手が掴んだ







その手は傷だらけで、少し焼けていた









彼女は、そっと見上げる







手を握った男は少しばかり背が高いようで、







彼女は上へ、








上へ








上へと、男を見上げた








上へ上へと視線をあげるたび、彼女の顔は少しずつ色を無くしていく






.








.








.








「カタクリ…どうして…」






手を掴んだ男は、彼女を捨てた男だった









彼女は、3ヶ月前に自信を捨てた男をみて








顔を青く染めた









その姿は、








その表情は









.









.









.









もう、男に恋をしている女の顔ではなかった

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