太陽 #short story (ページ43)

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Hamaie.R ページ43

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『き、際どい……』

鏡に映った姿を見て呆然としてしまう

こんなのピチピチの若い女子高生とかがやるから
可愛くて許されるやつなのに
なんでわたしが……

事の発端は数日前、
家に帰ってくるなりにこにこしながら
…というよりはにやにやしながら

「これあげる」

そう言って渡されたリボンのかかった紙袋

誕生日でも記念日でもないのになんだろう？
なんとなく嫌な予感がして開けてみるとそこには
"小悪魔☆なりきりコスプレ"
と書かれた衣装が入っていた

『濱家さん、これは…』

「ハロウィン、Aはそれ着てな？」

『…は？』

「やから、家ん中やけどコスプレして、
ハロウィン楽しもうなって」

そんな話聞いてないんですけど！
濱家さんは確かに季節のイベントとか好きなタイプって
付き合っているうちに分かったけど
まさかハロウィンまで本気とは…

コスプレなんて高校の文化祭くらいしか記憶にないのに
こんなの今のわたしに着れる…？

「俺のも楽しみにしとくんやで」

そんなわたしの不安を気にも止めず
濱家さんは自慢げに笑っていた

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「そろそろどうやー？」

『あ、えっと、ちょっとまだ…』

「遅ない？なんか手こずってる？」

『いや、なんていうか、その』

着替えることになって早20分
そろそろ言い訳も効かなくなってきた

きっと期待してこれを渡してくれたであろう濱家さん
でもやっぱり似合ってるとは到底思えなくて
こんな姿を見られて彼に幻滅されたくなかった

どんな時でもやっぱり可愛いと思ってもらいたいから

もう仕方ない
サイズが合わなかったって嘘をつこう
そう思ってファスナーに手をかけた時だった

扉の開く音が聞こえたのは

「A大丈夫か………」

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