太陽 #short story (ページ27)

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『盛山さんのことは、何とも』

「あ、そうなん、いや普通に考えたらそうよな」

さっきだって少し助けようとしてくれてたり
盛山さんは見た目以上に優しくて
人としてはすごく好きなんだけどね

「さっきモリシが余計なこと言うとったけどさ」

『何のこと、ですか？』

「女の子好きなんはほんまやけど、マジでAちゃんのことはそういうんちゃうねん」

その言葉を聞くのは今日2度目
そういうんじゃない、ってどういう意味だろう

「まず一目惚れやし」

『えっ…』

「遊びたい女の子やなくて、本気で付き合いたいって思った」

その端正な顔にじっと見つめられると
わたしの心はどうしていいか分からなくなる

「俺今まで適当にしか恋愛してこんかったからやり方間違っとるかもしれんけど」

『それはだいぶ、そうですね』

「真剣に考えとるってことだけは分かってほしい」

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あれから数日が経った局の休憩室
わたしは紛れもなくリリーさんのことを考えていた

あの日からずっと
わたしに向けられた言葉が頭から離れない

今日は収録で見取り図さんが来ることが分かっている
どんな顔すればいいんだろう
こんな風にリリーさんのことで悩んでるわたしって…

「おった」

『うわ』

「ここにおるんやないかなーて思って来てみたらほんまにおった、これ運命ちゃう」

当たり前のように口説き文句を言いながら
わたしの隣に腰掛けたその人は
相変わらず涼しい顔をしていた

『わ、わたしもう出るんで』

「待ってよ、なんか思い詰めとった感じやったし」

『そんな別に…』

「なんか悩み？それとも俺のことでも考えてくれとった？」

きっといつもの冗談でそう言ったリリーさん

だけどわたしは反射的に目を逸らしてしまった
こんな反応、Yesと言ってるようなもの

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