太陽 #short story (ページ24)

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Hamaie.R ページ24

《attention》
既婚者設定ですので
苦手な方はUターンお願いします
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時計の針がもうすぐ夜の10時を指す頃

静かな部屋に玄関のチャイムが鳴り響いた
それと同時にぼやぁっと光る携帯の画面

濱家着いたで

オートロックを開けてからの数分間
この時間がいつになっても慣れなくてなによりも緊張する

好きな人に、会えるんだから

.

『はーい』

「ごめんなー、遅なった」

『いえ…ていうかその格好なんですか、』

「ふは、どう？」

濱家さんはその質問待ってました、と言わんばかりに笑って
くるっと一回転なんて普段は絶対やらないようなサービスまでしてくれた

『どうっていうか、そもそも何で浴衣…？』

「今日そういうイベントやってん、これで漫才するっていう」

『素敵なイベントですね』

ファンにとっては堪らないものに違いない
現に今ここにいるわたしだって急に見せられてそうなんだし

「スタイリストさんがえらい褒めてくれるからさあ、Aに見せたいなあ思って」

『わたしに？』

「買い取ってそんまま着替えずに来てもうた」

八重歯を見せて笑うその姿が苦しい

なんて大胆なことをする人なんだろう
舞い上がってしまいそうになるくらい嬉しいのに
邪魔をする、この関係は不完全であるということが

「で、どう？」

そんなの分かってるくせに

『…帯の位置まあまあ低いですよね』

「おい誰が短足やねん」

『濱家さんは短足ですよ』

「知っとるがな、ただの高身長詐欺や俺は」

カッコいいなんて
わたしじゃなくてもたくさんの人が
家に帰ればその人が

言ってくれるはずなのにどうして

.