太陽 #short story (ページ15)

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Kujo.J ページ15

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「ちょっと外行こや」

時計の針が丁度てっぺんを超えたあたり
有無を言わせず彼に手を引かれて
街灯だけが照らす道を歩いていた

少し歩いて見えてきたのはすぐ近くの公園
これから、長い夜が始まる___

「煙草、ええ？」

『うん、もちろん』

そうやって聞いてくれるのはまだ付き合う前、
"煙草の匂いは少し苦手"と何気なく零した一言を
未だに覚えてくれているからなんじゃないかと毎回思う

「…静かやなぁ」

『そうだね』

今にも消え入りそうな声と儚い横顔

普段ステージの上に立っている時からは
想像もつかない魅力を持ち合わせる彼に
惹かれていくのにそう時間はかからなかった

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「なぁA、僕のこと好き…？」

『好きだよ？』

「ほんまに？どのくらい？」

『どのくらいって…』

急に子どもみたいな拗ねた顔するんだもん
なんだかそれが可笑しくて笑っちゃった

「笑い事やないねんけど」

彼はたまにこうして愛情を確認したがる
いつもは応えるだけで納得してくれるんだけど…

でも好きの度合いを表現するのって正直難しい
どうすればジョーくんの機嫌を取り戻せるんだろう
悩んだ末、一応外だからってことで控えめに、ハグしてみた

『このくらい、かな？』

「…………意味、分からへん」

こんな並大抵のことじゃ今の彼には響かないらしい

「Aにとって僕はその程度やったん」

『ううん待って、そんなつもりじゃ』

「全然足らんよ」

そう言って煙草の煙をふぅっ、とふかした彼を
ぼーっと見つめていると
細長い指が顎に添えられて一瞬にして唇が奪われた

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