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お弁当を食べるわたしの真向かいに座って頬杖をつきながら嶺亜くんはわたしを観察するように眺めていた。
た、食べづらい‥
美しい顔がすぐ目の前にあるってだけでも緊張するのに、じっと見つめられてたんじゃなおさら‥
赤くなりながら食べるわたしを嶺亜くんはまたニヤニヤと揶揄うように見つめた。
「肉団子のタレついてるよ？あー、反対側。A、いつもそうやって口に何かつけて男に拭かせてるんだろ。あざといねー。笑」
嶺亜くんはそんな風に言ったけど、嶺亜くんがわたしの口元を拭ってくれるわけじゃなくて、わたしは恥ずかしくなりながら自分で自分の口元をひっそりと拭いた。
何これ？羞恥プレイ？
心の中でぶつぶつと言ったけど、当然嶺亜くんにそんな事は言えなかった。
「今日さ、寅子ちゃんとAが喜びそうなの持ってきた。この間現場で貰ったんだよね」
嶺亜くんに促されるまま湯呑みを用意すると、その中に柚子の香りがする小さな黄色い粒をひとつまみ入れてくれた。
「お湯でも水でもいいんだって。入れてみて」
「まあ！九重？懐かしいわぁ」
寅子さんはそのお菓子のような飲み物を知っていたみたいだけど、わたしは初めて見た。
黄色い可愛らしい粒がまるでミモザみたいに見えた。
ほんのりと甘いその飲み物を口にすると、柚子の香りが口の中に広がって、なんだか花を食べているような不思議な気持ちになった。
味も美味しいし、見た目の可愛らしさに気持ちが華やぐ。
「A好きそうだと思ったんだよね。こういうの。
いっつも綺麗なお菓子とか喜んで見てる。
この間の金魚の形のゼリーとか不味いのにかわいいかわいい言ってたし」
嶺亜くんはそんな風に笑ったけど、
嶺亜くんにわたしの好みを見破られていた事。
それから一緒にいない時にわたしが好きそう、とわたしの存在を思い出してくれた事が嬉しくて。
なんだか胸がいっぱいになった。
自分は特別なんかじゃない。
わかってるけど。
嶺亜くんがそんなつもりじゃない事も、わかってるけど。
嬉しくて。胸が高鳴って。
わたしは勘違いしてしまいそうになる気持ちを閉じ込めるのに精一杯だった。
それでもなんとか
「ありがとう。わたしこういうの、大好き‥」
そう嶺亜くんにかろうじて言ったけど、嶺亜くんは、
「だと思った」
ひとこと言ってちょっと笑っただけだった。
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りぷる(プロフ) - ひとみさん» この短編集、勢い余って2も作ってしまい、またネタ切れになる未来が見えるので、またアイディア等ありましたら教えていただけると嬉しいです♡ ファンって言っていただけるの、すごく嬉しいです♡いつもありがとうございます♡ (2022年9月19日 20時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - ひとみさん» かりんとう饅頭、食べたことないです！食べてみたいです。笑。嶺亜くんのブログからお借りしました。ハッピーエンドじゃなくても納得していただきホッとしました！もっと甘々な感じのお話も書いてみたいのですが、なかなか難しくて‥修行します！ (2022年9月19日 19時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - ハッピーエンドではなかったけどお互いが納得できていて、素敵な表現でした(^ ^)前からだけど、さらにりぷるさんのファンです♡ちなみにかりんとう饅頭の地域の方ですか？前に嶺亜くんがブログに書いてたからかな？私の地元の和菓子屋さんに良く売ってました^ ^ (2022年9月19日 18時) (レス) id: 2aa4395928 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - ひとみさん» ハッピーエンドに出来なくてすみません（汗） 次はもう少し幸せな感じで書きたいです‥。年上組（わたしの中では）書きづらくて‥アイディア提供していただき助かりましたし嬉しかったです♡ また良かったらお願いします♡ (2022年9月19日 4時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - りぷるさーん！遅くなりましたが嶺亜くんの全部読みました！感動（ ; ; ）中途半端なアイディアで、返って描きにくくなってしまったのではないかと心配でした。でも嶺亜くんらしさたくさんできゅんでした(^ ^)ありがとうございました♪次は大好きなYさん！楽しみです♡ (2022年9月19日 1時) (レス) @page46 id: 2aa4395928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2022年5月29日 13時
