Bitter Cream Soda

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それからまた彼はわたしの目をじっと見つめて

「‥いい？」

って聞いた。

それに返事をする前に長いキスがはじまった。

ひたすらに優しいキスに胸がさざめく。

何度も下唇を啄む度に唇が音を立てる。

胸がいっぱいになって勝手に涙が溢れてきて頬を伝った。

「なんで泣くの」

彼はまたそう聞いてきたけど、今度はその声は優しかった。

「だって‥」

「ねえ」

彼の問いかけに薄っすらと目を開けると、

「好きだよ」

優しく目を細めて言ってくれた。

「わたしも‥」

今までの葛藤も戸惑いも全部吹き飛んでしまって、心のままにそう言ったら、

知ってるよ、と言うふうに

ん。と言って、それからゆっくりと頬を撫でてくれた。


パジャマのボタンをひとつひとつ外される度に、胸が高鳴っていくのがわかる。

それから露わになったわたしの胸にそっと唇を寄せて、

「ずっと、こうしたい、って思ってた‥」

そう言った後に彼は、わたしの胸の輪郭をなぞるように触れた。

唇がまたそっと触れる。

身体が熱い‥。

恥ずかしくてたまらなくて。でももっと触れてほしくて。触れたくて。

自分も手を伸ばして、彼の胸にそっと触れた。

Tシャツの上から一瞬触れただけなのに、ピクリ、と反応して、彼はしばらく固まっていた。

それからボソリ、と呟いた。



「アレ‥ある？」

「‥？‥アレって？」

「‥ゴム」

ぶるぷる‥首を振った。


ちょっと苦笑いした後にしばらく沈黙してから

「続き、明日。止まんなくなるから‥」

彼はふいに顔を背けて言った。

顔が反対側を向いたので耳が視界に入る。

薄闇の中でも、その耳が赤いのがわかった気がした。

こんなに恥ずかしそうにしてる彼を初めて見たし、わたしも恥ずかしくてたまらなくて、

ふたりしてモジモジと俯いた。

それからお互いにはだけた服を直して、また顔を見合わせてちょっと笑った。


愛しくてたまらなくて、離れたくなくて‥彼の手にそっと触れて言った。

「一緒に寝よ‥？」

その台詞を言いながら目が潤んでいたのが自分でもわかった。



「こっちの部屋、初めて入った」

そう呟いた彼の手を引いて、

自分のベッドまで連れて行った。

それからそっと横たわって

自分の薄く小さな胸で彼を包んで、一緒に朝まで眠った。

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