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「ねーAちゃん。バーミリオンちょっとちょうだい？」
制作中、嶺亜くんが甘ったるい声を出してわたしの前に手を差し出してきた。
「‥‥‥(なんで狙ったように高い絵の具‥)どーぞ‥」
「さんきゅー♡ 」
嶺亜くんが頼めばどんな女の子だってどんな絵の具だって差し出すだろう。
なんでわたし？他の子に頼めばいいのに。
絵の具を受け取った彼は、とことことアトリエの隅に戻った。
女の子たちからの視線が痛い。
ニヤニヤと嶺亜くんがこっちを見てる。
‥わざとか。
自分の美しさを、自分が女の子たちの視線を集めている事を熟知した振る舞い。
嫉妬にかられた女の子たちがわたしを睨むのを、それを見てわたしが困るのを楽しんで見てる。
綺麗な顔した悪魔。
心の中だけで呟いてまたキャンバスに向かった。
授業終わり、ちょっと、どころじゃなく減った絵の具を返しにきた嶺亜くんに勇気を出して逆らう。
「わ、わたしじゃなくて違う子に借りたら？ほら、〇〇ちゃんとか。△△ちゃんとか。仲良い子‥」
「ヤダよ。あいつらすぐ色目つかうもん。その点Aちゃんはいい子だからそんな事しないもんね？」
わたしの頭を撫でようとする嶺亜くんの手をサッとよけた。
危ない。こんなとこ誰かに見られたら睨まれるどころの騒ぎじゃない。
嶺亜くんは一瞬おっという顔をしたけどすぐにニヤニヤとわたしをからかい出した。
「ねーAちゃん。色目って使える？練習するの見ててあげよっか？」
なっ‥。
真っ赤になって困った顔をするわたしを満足げな顔で見下ろす嶺亜くん。
やっぱり悪魔だ。
嶺亜くんはわたしの向かい側に座ってわたしの顔を覗き込むようにしながら言ってきた。
「お前さ、眼鏡の形が顔の形と合ってないの。センスないねー。もうちょっと細いフレームにしてみたら？」
嶺亜くんはそう言ってわたしの顔からスッと眼鏡を外した。
ドキドキして心臓が壊れそう。助けて。
真っ赤になって固まったまま、されるがままになっていると
「眼鏡外したら絶世の美女が出てきたら面白かったのにねー」
きゃははーと笑いながら、嶺亜くんは居なくなった。
ぼんやりとした視界で困り果てるわたしを置き去りにして。
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りぷる(プロフ) - ^_^さん» コメントありがとうございます！嬉しいです♪ 女の子がお相手のお話、また書きたいなぁと思っていました！続編になるか、別の設定になるか分かりませんが、ちょっと大人な感じも混ぜながら書いてみたいと思います。気長にお待ちいただけると嬉しいです♡ (2022年5月19日 18時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - こちらも読ませて頂きました。どのお話も素敵でした。みんならしさがでていて、楽しかったです！このお話達の続きも読んでみたいし、裏のお話も描いて頂けたらとっても喜びます(*^^*)ご無理の無い範囲でお願いできたら嬉しいです。 (2022年5月19日 14時) (レス) @page43 id: b1e5679418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2022年2月26日 16時
