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ちょっと頭冷やそう‥そう思って控室を出て行こうとしたけど、ドアのところまで行ってやっぱりこんぴが心配で戻った。
ウロウロと歩くその様子を見ていたこんぴは
「克樹はいつもそうやって自分の事より他人を優先する」
ボソッと呟いた。
「そういうわけじゃ無い」
「‥そうでしょ」
「俺がこんぴのそばにいたいの」
なんだか恥ずかしくなってぶっきらぼうに呟いて横を向いたら、俺の手に、こんぴの指が２回触れた。
ちょんちょん、と俺を呼ぶ合図。俺を必要とするサインに、こんぴの顔を覗きこんだ。
小さく光るこんぴの瞳が悲しげに揺れてる。
どうしたの？
そう言いかけた俺の唇に、スッと近づいたこんぴの唇が一瞬だけ触れた。
‥あれ？今なにが起きた？
時が止まったように感じた。
シーンとした静かな空気の中こんぴの小さな透明な声が震えてる。
「‥忘れて。俺も忘れるから」
そう言って俺の頬に触れたこんぴの手は、ひんやりと冷たかった。
固まる俺に、こんぴは続ける。
「俺が笑えないのも、笑いたいって思うのも、どっちも克樹が原因‥」
俺は必死に顔に出さないようにしたけど、頭の中は完全にパニクってた。
「忘れるから‥消化するのに、ちょっと時間ちょうだい」
こんぴはそう言って顔を背けた。
こんぴの震える声になんだかたまらない気持ちになって、思わずこんぴの手を取った。
冷たい指を暖めてあげたくなって、そっと引き寄せて自分の両手で包んで、聞いた。
「俺‥どうしたらいい？」
どうしたらこんぴが辛くなくなる？
少しでもこんぴの望みを叶えてあげたくて聞いた。
俺の問いに、こんぴはようやく顔を上げて言った。
「忘れて。それから笑ってて。いつもみたいに」
「‥わかった」
口ではそう言ったけど、内心は心臓が掴まれたみたいにギュッとなってた。
俺も、たぶん、こんぴのこと‥
言いかけてその言葉を飲み込んだ。
こんぴをかわいいって思う気持ち。
こんぴのこと、守りたいって思う気持ち。
その気持ちに、名前をつけちゃいけないような気がして。
「忘れるよ。俺も。頑張って忘れる。でも‥もう一度だけ‥」
そう言った後に、静かにこんぴの唇に自分のそれを重ねて
それから顔を見合わせてお互いに少しだけ微笑んで、小さく手を振った後にそっと控室を出た。
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りぷる(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます！励みになります！素敵な感想を書いてくださってとでも嬉しくなりました。拙いお話ですが、またお読みいただけると嬉しいです。 (2022年1月6日 5時) (
レス) @page39 id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 素敵なお話ありがとうございます！特に赤緑の、お互いへの信頼感がつくる2人だけの世界が大好きです！虹色mixの、それぞれの関係性と個性の違いをよく考えられていて6人がもっと好きになりました！更新楽しみにしております！ (2022年1月6日 2時) (レス) @page42 id: 1eafe779d8 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん♡ コメントありがとうございます！ いつも本当に励みになります。かわいいって言ってもらえて嬉しいです。名無しさんも更新楽しみにしてます！ (2021年11月22日 2時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！主さんの書かれる緑くんがとってもかわいいです❤︎ (2021年11月21日 23時) (レス) id: 0ca7a49390 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん！いつもコメントくださってありがとうございます（╹◡╹）♡ とっても嬉しいです！名無しさんの更新もいつも楽しみです！ (2021年11月11日 20時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年11月6日 21時
