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口をつぐんでいたら
「克樹の事考えると、胸がギュッとなって速くなる‥。こんな風になるの、初めてで、どうしたらいいかわかんない‥」
そう言ってこんぴは照れたような困ったような顔で笑った。
「うん‥」
俺もなんて言えばいいかわからなくてそれだけ言った。
「克樹‥」
こんぴの細い指が伸びてきて、俺の唇の輪郭を確かめるようにゆっくりとなぞった。
「キスしていい？」
小さな、小さな声。
「うん‥」
俺はまた、それしか言えなかった。
ゆっくり静かに重なる唇。
それから小鳥のように下唇を啄まれる。
だんだんと熱い吐息と一緒に唇の動きが激しくなる。
脳の奥が痺れるような感覚になった頃、
ゆっくりと唇を離したこんぴが
「みんなには秘密ね」
そう言って恥ずかしそうに笑った。
それからもこんぴの態度は変わらなかった。
大阪公演の間も楽屋でふたりで居たけど、いつも通りだった。
あのキスはなんだったのかな‥
俺ひとりが気にしてるのかな。こんぴにとってはキスなんてたいした事じゃないのかもしれない‥
俺はそう自分に言い聞かせるようにして、無理矢理に消化しようとした。
あのキスはスキンシップの一種で。
こんぴは大事な仲間で、
かわいい弟みたいな存在。
高鳴る胸を押さえるように、自分に言い聞かせ続けた。
だからブログにも書いた。
弟みたいな認識でいるって。
こんぴが怒ると思わなかった。
悲しい顔、させるつもりじゃなかった。
こんぴが悲しげな瞳で楽屋から出て行ったのを呆然と見ていたけど、
このままじゃこんぴが遠くなる‥
俺の声が届かないところまで、距離を置かれてしまうように思えて、走ってこんぴを追いかけて手を掴んだ。
「待って‥こんぴ。待って‥」
「‥いいよ。もう。わかったから」
「‥わかったって何？話聞いて？」
「‥怒んないで‥」
自分でも声が大きくなった事にびっくりしたし、こんぴにそれを耳を塞ぐように拒絶されたような気がして慌てて手を離した。
「‥ごめん‥」
俺の言葉に無言で首を振るこんぴが小さく微笑む姿に胸が痛んで、必死になって話した。
「俺もずっとドキドキしてた‥こんぴと居ると居心地いいのに、心臓は速くなって‥キスしてからは余計に気になって‥でもこんぴの態度変わらないし‥無かった事にされたのかと思って‥それで自分に言い聞かせるように弟、って思う事にしてた‥」
「は？何それ？」
こんぴが聞き返す口調に思わず怯む。
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りぷる(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます！励みになります！素敵な感想を書いてくださってとでも嬉しくなりました。拙いお話ですが、またお読みいただけると嬉しいです。 (2022年1月6日 5時) (
レス) @page39 id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 素敵なお話ありがとうございます！特に赤緑の、お互いへの信頼感がつくる2人だけの世界が大好きです！虹色mixの、それぞれの関係性と個性の違いをよく考えられていて6人がもっと好きになりました！更新楽しみにしております！ (2022年1月6日 2時) (レス) @page42 id: 1eafe779d8 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん♡ コメントありがとうございます！ いつも本当に励みになります。かわいいって言ってもらえて嬉しいです。名無しさんも更新楽しみにしてます！ (2021年11月22日 2時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！主さんの書かれる緑くんがとってもかわいいです❤︎ (2021年11月21日 23時) (レス) id: 0ca7a49390 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん！いつもコメントくださってありがとうございます（╹◡╹）♡ とっても嬉しいです！名無しさんの更新もいつも楽しみです！ (2021年11月11日 20時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年11月6日 21時
