白緑 1 ページ25
寝てる時、太腿に違和感があったような気がした。
朝、目覚めてすぐ寝ぼけながらシャワー浴びに行った。
パジャマ代わりのスウェットを脱いだら、浴室の鏡に映った自分の太腿にマジックで名前が書いてあった。
「ヤバナレイ」
慌てて風呂場から飛び出して、呑気にコーヒー飲んでる矢花に聞いた。
「矢花？何これ？？」
「‥何って自分の持ち物にはちゃんと名前を書くように、って小さい時から言われてますから」
取り付く島もない。
「あっシャワー浴びて薄くなったらもう一回書いてあげますからね」
矢花はにっこりしながら言ったけど、目が全然笑ってない。
「あのー矢花さん、何か怒ってます？」
「何がです？」
優しい声だけど、それが余計に怖い。
やっぱり怒ってる‥よね？
「これ油性ペン‥」
抵抗しても無駄だってわかってたけど、
一応小さな声で反論してみる。
「油性ペンが不満なら爪で描いた方が良かったですか？」
ピシャリ、と言われて思わず怯んだ。
矢花に冷たい声を向けられたのは初めてで、思わず涙ぐんでしまう。
それを見てちょっと慌てた様子になった矢花は
「またそうやって‥」
と眉間を寄せながらも着ていたトレーナーの袖で涙を拭ってくれた。
その姿がいつもの矢花に戻ったように思えて安心してまた涙が出てきてしまう。
「あー。もう」
文句を言いながら矢花は自分の胸に俺を引き寄せた。
「ズルいですよ‥だかさん。泣くの、反則‥」
俺の背中をポンポン‥と叩きながら、ポツリポツリ、と矢花は話し始めた。
「だかさんの事、誓って疑ったりはしてません。だかさんそんな不誠実な事出来るほど器用な人じゃないのもわかってるし」
‥やっぱり。先輩の家に遊びに行ったの気にしてたのか‥。
「楽しんで来てくださいね」って笑って送り出してくれたから、気にしてないのかと思ってた。
「だかさんいつも誰かと会う時も大学行って帰り遅くなる時も律儀にLINEくれて‥そんなに俺に気を遣わなくてもいいのにって思ってました。
先輩と会う時もちゃんと連絡くれたし‥だかさんが尊敬も信頼もしてる人だから心配はしてませんでしたけど‥
でもあんな嬉しそうなキラキラの瞳して遊びに行って楽しかった話されると‥
俺って独占欲の塊なんだって思っちゃって‥
くだらないヤキモチで子供みたいな事してごめんなさい‥」
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りぷる(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます！励みになります！素敵な感想を書いてくださってとでも嬉しくなりました。拙いお話ですが、またお読みいただけると嬉しいです。 (2022年1月6日 5時) (
レス) @page39 id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 素敵なお話ありがとうございます！特に赤緑の、お互いへの信頼感がつくる2人だけの世界が大好きです！虹色mixの、それぞれの関係性と個性の違いをよく考えられていて6人がもっと好きになりました！更新楽しみにしております！ (2022年1月6日 2時) (レス) @page42 id: 1eafe779d8 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん♡ コメントありがとうございます！ いつも本当に励みになります。かわいいって言ってもらえて嬉しいです。名無しさんも更新楽しみにしてます！ (2021年11月22日 2時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！主さんの書かれる緑くんがとってもかわいいです❤︎ (2021年11月21日 23時) (レス) id: 0ca7a49390 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん！いつもコメントくださってありがとうございます（╹◡╹）♡ とっても嬉しいです！名無しさんの更新もいつも楽しみです！ (2021年11月11日 20時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年11月6日 21時
