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「嶺亜、珍しいね。体調管理いつも徹底してるのに」
課題や釣りに夢中になって倒れる寸前で怒られるのはいつも俺の方だ。
「‥眠れない。最近、ずっと」
「いつから？」
「‥この間、お前と飲んだあたり」
‥結構経つな。
「‥なんか悩んでる？」
心配になって聞くけど嶺亜からの返事は無い。
それ以上聞いちゃいけないような気がして、俺も口をつぐんだ。
嶺亜の家の前、いつものように手を振りかけても嶺亜は目を逸らしたままだ。
「嶺亜‥？」
顔を覗き込むけど、目を合わせてくれない。
「ゆっくり休んで‥」
返事は期待しないでそう告げて帰ろうとしたら、嶺亜の小さな声で呼び止められる。
「くるしい‥」
「えっ？」
「あれからずっと胸が苦しい。ずっと眠れない」
半分怒ったように嶺亜が訴えてくる。
「克樹が‥お前が変なこと言うから‥」
最後は絞り出す様に言って嶺亜はまた俯いてしまった。
「変な事‥？俺なんか言った？」
嶺亜はしばらく黙っていたけどポツポツと話し始めた。
「ずっと引っかかっていた事が繋がった‥。
パズルのピースが揃ったみたいに色んな事がわかった。
気づいちゃったら、もう苦しいよ‥。
どうして誰と付き合っても違うって思うのか、
お前の初恋の話も、
それからお前に何度も告白してくるヤツの事も、
みんな気づいて‥繋がっちゃったよ‥」
悲しい、叫びのような声。
嶺亜のこんな声初めて聞いた。
「ずっとなんか引っかかってた。あいつがお前を見る時の視線も、克樹が時々見せる悲しそうな表情も。それから‥俺がどうして誰と付き合っても好きって思えないかも‥。」
そんなつもりじゃなかった。
嶺亜を苦しませるつもりじゃなかった。
俺を想ってくれてるのは嶺亜もよく知ってる人だって‥気づかせたくはなかった。
俺の思いも、伝えるつもりじゃなかった。
「ごめん、嶺亜‥」
目の前で悲しげに瞳を揺らす嶺亜を抱きしめる事も、置いたまま帰る事も出来ないまま、そんな言葉しか出てこなかった。
始まりかけた、その人‥矢花との時間を止める事も出来そうになかった。
嶺亜の事が愛しくて。
矢花の事が大切で。
ただ、立ち尽くしたまま、何も出来ずにいた。
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りぷる(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます！励みになります！素敵な感想を書いてくださってとでも嬉しくなりました。拙いお話ですが、またお読みいただけると嬉しいです。 (2022年1月6日 5時) (
レス) @page39 id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 素敵なお話ありがとうございます！特に赤緑の、お互いへの信頼感がつくる2人だけの世界が大好きです！虹色mixの、それぞれの関係性と個性の違いをよく考えられていて6人がもっと好きになりました！更新楽しみにしております！ (2022年1月6日 2時) (レス) @page42 id: 1eafe779d8 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん♡ コメントありがとうございます！ いつも本当に励みになります。かわいいって言ってもらえて嬉しいです。名無しさんも更新楽しみにしてます！ (2021年11月22日 2時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！主さんの書かれる緑くんがとってもかわいいです❤︎ (2021年11月21日 23時) (レス) id: 0ca7a49390 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん！いつもコメントくださってありがとうございます（╹◡╹）♡ とっても嬉しいです！名無しさんの更新もいつも楽しみです！ (2021年11月11日 20時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年11月6日 21時
