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「‥そう思ってこの間試してみたんです。思い切って」
「あぁ催涙ガスの時」
「‥持ってませんてば」
「そしたら？」
「‥しばらくしたら止まりました」
「ふーん。じゃあもう一回試してみる？」
小さく震え続ける矢花の手を取って自分の両手で包む。
しばらくしたらホントに震えは止まった。
「何だー。じゃあ、ずっとくっついてればいいんじゃない？」
「‥だかさんのそういうとこ、ホント‥」
「？」
「何でもないです」
「‥ふふ。矢花、そればっかり」
笑ったら、急に矢花は真剣な声で言った。
「そういうとこ、ホント好き、って言ったらどうしますか？」
「えっ？！」
「‥想定外でした？」
「‥うん」
「‥見事に鈍いですね。そういうとこも、ホント好きです」
さっきまで弱々しく俯いていた矢花が真っ直ぐな目で見つめて言った。
その顔は綺麗で‥見惚れてしまいそうで‥
今度は俺の方が動揺してしまう。
「あー。そっかー。へー。なるほど。やばながねー。あー。うん」
うろたえた声になったのが自分でも分かったけど、ちゃんと矢花と向き合ってみよう。そう思った。
「まだ頭の中整理ついてないけど、正直な気持ち言うね。
矢花にそう言ってもらって一番は‥びっくりした。二番目に嬉しい、って気持ちかな。
それから‥矢花が居ないとさみしい。矢花と居ると楽しい。
‥いま言えるのはそれくらい‥かな」
矢花が真剣に言ってくれたから、俺も真剣に答えたくて、懸命に考えながら言った。
「正直な人ですね。そういうところも‥好きですよ」
矢花が小さく笑った後、
あ、と呟いた。
「だかさん‥触れてなくても震え、止まりました」
矢花がホッとしたような顔で言った。
「ホントだー！良かったね、矢花」
俺も嬉しくなる。
「あーでもさ、矢花に触る口実無くなっちゃったなー」
矢花を笑わせたくて言ったけど矢花は笑わなかった。
「‥口実‥要ります‥？」
ちょっと困ったように眉を下げて、半分からかった俺の言葉を真正面に受け止めた矢花に
「矢花のそういうところ、好きだよ」
って言ったら
「また俺の事からかってますね」
今度は拗ねたように呟いた。
ホントの事なんだけどな‥。
伝えようとしたけど、矢花に上手く伝えられないのがもどかしくて‥
震えてない矢花の手をそっと掴んで、引き寄せた。
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りぷる(プロフ) - ベルマークが100個１００個さん» コメントありがとうございます♡感想言っていただき励みになりました。なかなか更新出来ていませんが、これからもお読みいただけると嬉しいです！ (5月14日 17時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
ベルマークが100個１００個 - 面白いと思いますこれからも期待してます (5月14日 16時) (レス) @page33 id: 9c8e27407b (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさんコメントありがとうございます！嬉しいです！あったかいお言葉いただきやる気が出ました！名無しさんの事も応援してます！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 遅れましたが移行おめでとうございます〜！りぷるさんが描く白さんが大好きです……！これからも応援してます(^^) (2021年9月8日 15時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年9月4日 11時
