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あれからずっと矢花の言った言葉の意味を考えている。
矢花は汚くなんかない。
むしろ綺麗で‥矢花の指も‥横顔も‥
それから音楽を語る時の声や
ふざけて笑い合った時の瞳も
みんなみんなキラキラしてるのに
どうしてそんな事言うんだろう‥
もう一度ちゃんと話したくて、二人になれるチャンスを伺ってるけど、中々ガードが固い。
練習終わり、矢花の後つけて歩いていたつもりが見失う。
あれ？矢花どこ？
キョロキョロしていたら急に腕を引っ張られる。
転びそうになりながら薄暗い控室に入ると矢花のちょっと怒った様な顔が見えた。
「だかさんどうしてずっと俺の後つけてるの」
「だって‥矢花と二人で話したくて」
「知らなくていい事もあるって言いましたよね」
「何の事なんだか全然わかんない‥でも矢花が辛そうな顔してるの、ほっとけないよ」
矢花が泣きそうな顔になっている気がして
頬に手を伸ばす。
泣いているのなら涙を拭ってあげたくて。
でも矢花は泣いているわけじゃなくて‥むしろ怖い顔してた。
「俺に触れないでって言ったのに」
苦しそうに呟く声が聞こえたと思ったら急に矢花の力と思えないくらいの強さでソファまで引っ張られる。
よろけて尻餅をついた俺に、覆い被さるように馬乗りになった矢花の顔が急に近くなる。
暗い瞳。
どうしてそんな悲しい顔をするの。
そう思って見つめていたらキスされた。
歯が当たる程強く唇を押し付けられる。
「だかさん‥逃げるなら早く逃げて」
悲しい、叫びのような声。
逃げる？どうして？
矢花から逃げるなんて考えた事も無かった。
キスされた後でもそう思う。
「だかさんを‥汚したくなかったのに。
俺は‥汚い感情であなたを見てる。
こんなかわいらしい手にさえ想像してしまう。
いやらしい気持ちでいっぱいの人間なんです」
矢花はそう言って俺の首筋に唇を這わせた。
片手で器用に俺のベルトを外そうとしながらもう一方の手でTシャツの裾を捲り上げる。
上半身を直に手で撫で回すように触られるのを受け入れながら俺は呟いた。
「逃げないよ、俺」
「へぇ。こんな簡単にやらせてくれるんですか？」
「似合わないよ‥矢花。そうやって悪ぶるの。そういう風に言えば俺が怒って逃げると思ってわざと言ってるよね」
矢花の動きが止まる。
「分かったふうに言わないでください‥
俺が、俺が‥今まで‥どんな気持ちだったか‥」
言いながら矢花は泣き出してしまった。
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りぷる(プロフ) - ベルマークが100個１００個さん» コメントありがとうございます♡感想言っていただき励みになりました。なかなか更新出来ていませんが、これからもお読みいただけると嬉しいです！ (5月14日 17時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
ベルマークが100個１００個 - 面白いと思いますこれからも期待してます (5月14日 16時) (レス) @page33 id: 9c8e27407b (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさんコメントありがとうございます！嬉しいです！あったかいお言葉いただきやる気が出ました！名無しさんの事も応援してます！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 遅れましたが移行おめでとうございます〜！りぷるさんが描く白さんが大好きです……！これからも応援してます(^^) (2021年9月8日 15時) (レス) id: 8d128bf771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2021年9月4日 11時
