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sweet 03 ページ3
「エンジェルズ・キッスになります」
目の前に、琥珀色をした綺麗なカクテルが置かれる。
あちらのお客様から、と指す方を見ると。
さっき、一瞬だけ目が合ったあの綺麗な男の人。
…なぜ、私に？
と思いながらも、頬に伝った涙を拭ってから男性の方を向いて会釈をした。
すると、男性が軽くグラスを上げたから 私も持ち上げて、エアーでグラスを合わせる。
琥珀色のカクテルを一口飲むと、口の中いっぱいにカカオの風味が広がった。
「…隣、いいですか？」
初めて味わうカクテルに夢中になっていると、男性が話しかけてきた。
「…はい」
「…失礼します」
関西訛りだけど、柔らかい口調。
その口調になんだか安心感を覚えた。
「雨、降ってきましたね」
急にそんなことを言い出す彼。
窓の外を見るとさっきまで降ってなかった雨がしとしとと降り始めていた。
「そうです…ね」
「あなたの、心にも」
「…え？」
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作者名：ゆるり | 作成日時：2017年11月17日 2時
