[短編集]星の導き[聖闘士星矢]

[LC]本当は[シジフォス] ページ5

あなたはいつもキラキラしてるの、、

その笑顔も、誰かを護る時の表情も、、

私はそれが好きだった。


｢A、今回は暗黒聖闘士の討伐に行ったんだって？教皇が誉めてらっしゃったぞ、お前は働き者だと。｣


こんな何気無い会話でさえ、胸がいっぱいになるくらい嬉しい。

でも、こんな気持ちがばれる訳にはいかないから、態度も小宇宙も平静を装う。


｢恐縮です。こんな私の力でも地上の平和のためになれば良いのですが、、｣

｢何を言ってる、、Aはたくさんの人々をを護ってきたじゃないか。これからも頑張れよ！｣


ポンポン、と頭を撫でてシジフォス様は私から離れてゆく。

どこに行くのか、なんて聞くことはできなかった。

･･･アテナ様のもとに向かったのだ。

そう、あなたはアテナ様のもとにいる時、、アテナ様のために戦う時、、

その時が一番輝いている。


｢･･･わかっている。｣


私と神であるアテナ様を比べるのがどれだけおこがましいことだというのも、、

わかっているんだ、、

私もアテナ様のためならこの命だって投げ出せる。

私もアテナ様に笑いかけてもらったらすごく嬉しい。

でも、、私が教皇の命で各地に飛び回って戦うのは、本当は、、

･･･あなたに、シジフォス様の目が私を映してほしいから。

私は女であることを捨てた聖闘士の身ではあるけれど、この初恋まで捨て去ることができなかった。

伝えても迷惑になるだけならば、この関係のままでいたい。

任務を頑張ったら誉めてもらえる、今の関係のままでいたい。

心はやっぱり酷く痛むけれど、、


｢それでも普通の会話でさえできなくなってしまったら、、私はもう生きていけないから、、｣


クルリと後ろを向いて歩きだす、、

聖域(サンクチュアリ)の周辺の村でも見回ってみようかな、とか別のことを考えて。

こうしないとやっていけないから。


｢･･･ああ、本当は、、｣


･･･本当は、すごく苦しいの、、

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