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伊達(2/4) ページ10

「そんなわけで、私も張り込み手伝うから、ちゃんと仮眠取ろうね!」

「なんで公安のお前がこんな詐欺事件に関わってるんだよ」

んー?なんででしょうね?と意味深に笑うと、純粋な伊達は「まさかそんな」と公安が関係している事件だと勝手に解釈してくれた。

めちゃくちゃチョロい。


「え、Aさん」

「ん?」

"ワタルブラザーズ"として伊達と行動を共にしていた高木も一緒に話を聞いていたわけだが、一通り話し終えたとこで「ちょっと待ってください」と真面目に問うてきた。


え、待って、そんな詳しく突っ込まれたら答えられんよ??


ドキドキとその先を促すと、

「Aさんて公安所属だったんですかー!?」

と目をかっ開いていた。

「シー!そんな大声出さないで!」

このバカ!と頭を叩く。

「いっ!す、すいません」

シュンとする高木を見て伊達が宥めていた。

「むしろどこ所属だと思ってたの」

「え、警備部…?松田さん達とよく一緒に行動してたので…」

「ああ…」


1度目の人生で出会わなかった人物の1人がこの高木渉。公安に居た私と関わる事なんて滅多に無かったし、風見さんと同じような立場だった私は刑事部の彼らに威圧的に対応していた。

今の人生では、何かと事件現場に現れる事が多くなり、ちょくちょく顔を合わせるようになっていた。

なんか爆破事件多いんだよね、この世界。

爆弾があれば松田と萩原が現れる。
それをちょっと同期のよしみで助けていたら、ね。

零と違って動ける立場なのでお構いなしってわけ。




「さー、張り込み頑張ろー!」

えいえいおー!と伊達と共に拳を上げてから3日後。



ドンッ!



伊達を庇って私は呆気なく死んだ。

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作者名:莉央。 | 作成日時:2022年5月5日 10時

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