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景光(3/3) ページ8

「疲れた…」

「ありがとうAちゃん」

零の部屋に3人集まって、グラスを鳴らす。


「まさかAちゃんがあんな大胆な行動に出るとは思わなかったよ」

「ライ…もとい赤井秀一には会ったことがあって、なんかこっち側な気がしたんだよね!」

まぁ会ったのは1度目の人生の時だけど!


「にしても、急に大声で自己アピールしだした時には心臓がヒヤッとしたぞ」

他に組織の奴らが居たらどうするんだ!と零に小突かれた。

「居ないよ、だって零も、"降谷零"だったじゃん」

階段駆け上がってた時は、だけどね。

「ああ、それより!」

ビュンッ!とヒロに向き直ると

「景光!ヒロ!ヒロヒロ!」

「なに、ちょっとAちゃん?!どうしたの」

急に抱き着いてきた私に困惑しつつ、優しく抱き返してくれた大好きな幼馴染。

「んーん、無事でいてくれてありがとう!」

しばらくはまた頻繁には会えないだろうからヒロ補充!と、ギューとしがみつくと、

「おい、僕も入れろ」

そう言って甘えたな零がヒロと私をまとめてギュッとした。

「ぐえ、潰れる」

離せゴリラ!自分の腕力考えろ!と振り解こうとするも、それはビクともしない。

「ははっ、ゼロもAちゃんも、子供の頃みたいだね」

「はーなーせー!」

抱きつかれたままワイワイしてると3人のバランスが絶妙に崩れ

「「「おわッ?!」」」

バターン、と床に倒れて転がった。


「いったーい!」

鼻ぶつけた!と押さえて言えば、「お?鼻潰れたんじゃないか?」元々無かったけどな!と零が笑う。

「こんの!ハーフで鼻高いからって純日本人のペチャ鼻バカにしやがってー!」

「Aちゃん、抑えて抑えて!」

「ヒロも純日本人のくせに鼻高いもんな!」

「ええー!巻き込まれた!」

鼻捻取ってやるー!とヒロと零の鼻を掴もうと両手を伸ばすが器用に避けられた。


楽しい、と懐かしい感情が蘇る。


「うぅ…ッ」

「「は?」」

突然涙を流す私を見て2人が慌て出す。

「え、おい、そんなに痛かったのか?」

「Aちゃん大丈夫??」

そんな2人がおかしくて、

「うっそー!か弱い乙女を虐めるからだ!」

どこがか弱いんだよ!と、口を揃え叫ぶ2人。


ああ、このやり取りが、ずっと恋しかった…


「とりあえず今日は飲むぞー!」

バーボンを片手にそう言えば、零から「ソーダで割っとけ」とグラスに泡が注がれた。

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作者名:莉央。 | 作成日時:2022年5月5日 10時

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