景光(2/3) ページ7
｢零、落ち着いて！そんなカンカン音を立てて階段を登ったら、上にいるヒロが追手だと思い咄嗟に良からぬ事を考えてしまうよ！｣
ガシッ！と、10段ほど駆け上がったとこで零の腕を掴む。
｢あ、ああ、それもそうだな｣
今回は事前に先回りをして、なんとか抑えることに成功した。
｢よし、ゆっくり行こう、きっと大丈夫｣
なんなら｢ゼロだよー！｣と大声出していく？
と、ニヒルに笑うと、｢お前は死にたいのか？｣と呆れられた。
落ち着いて、ゆっくり階段をのぼ…
ーバーン
え？
登り切った先に見た光景は、4度目と全く同じものだった。
｢階段の音だけじゃないんかーい！｣
気配を押し殺すのを忘れていた！
ゆっくり階段を登り過ぎて逆に怪しい気配を察知されてしまったらしい！
次は存在アピールして助けに入るからな！
と、再び赤井に飛び付き以下略！
6度目の人生を迎えた。
景光生かすの大変だな？！
｢ヒロー！私だよ！Aだよ！あと、ゼロもいるよー！｣
そう叫びながらカンカンお構いなしに階段を駆け登る。
｢おい！バカ！何考えてッ｣
そんな私を零は青ざめた顔で止めようとするが知ったこっちゃない。
｢ヒロー！｣
そう叫んで最後の一段を登り切り屋上へ出ると
｢Aちゃん、ゼロ…｣
今にも泣きそうに顔を歪めたヒロと、コイツらバカなのか？と怪訝そうな顔をする赤井がいた。
｢なんかライは大丈夫そうな気がした！｣
そう言って息も絶え絶えにニカッと笑うと、
｢野生の勘、か｣
萩原と松田の時と同じだな、と零もまたホッとしたように顔を歪めてヒロの肩を抱いた。
その後はまぁチャチャっと解決。
スコッチの代わりの遺体を用意して、スコッチは死んだことにし、ヒロはFBIの保護プログラムとやらで別人として生きる事となったのだ。
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作者名：莉央。 | 作成日時：2022年5月5日 10時
