あの子のカノジョ？ (ページ1)

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第1章ページ1

: 届かない檜山くんの想い :

｢え、あれ檜山くんだよね？｣

｢うわ！本物だ！！｣

｢えぇ、やばい。かっこいい、、｣

檜山くんが大学のキャンパスを歩いていると必ずと言っていい程この会話が聞こえてきます。

褒めてくれるのは嬉しいけどそんなにめずらしい存在って訳でもないのになぁなんて思ってる檜山くん。

そりゃモデルもやっている超イケメンくんですもの噂にぐらいなります。

黒｢あ、光成！！｣

檜｢よ、光輝｣

檜山くんのお友達の黒田くん。

類は友を呼ぶと言いますもんね、もちろんイケメンです。

黒｢今日、飯行かね？｣

檜｢あー、ごめん。今日はパスで｣

黒｢えー、最近付き合い悪いじゃん！｣

檜｢ごめんごめん笑また今度な笑｣

そう、檜山くんはどうしてもお家に会いたい人がいるから帰らないといけないんです。。

今日は講義が入ってない日でその人が大学に来てないから会うためには帰らないといけなんですよね。

檜｢じゃあ、俺用事あるから！！｣

黒｢また連絡するわ｣

檜｢おう、じゃあな｣

黒田くんとわかれると足早に大学を出て駅に向かいます。

メッセージアプリを開いて1番上ピン留めしてあるトークを開きます。

《今から帰るね》

ささっと送って閉じたスマホ。

ピコンと通知音が聞こえるとすぐに開きます。

《待ってるね〜》

この子がまさに会いたい子。

この緩さ加減が可愛いけど少し不安な檜山くん。

"待ってるね"の言葉で檜山くんの足が少し速くなります。

電車に乗って最寄りの駅の改札を通ると愛らしいずっと会いたかった横顔が目に入ります。

檜｢A？｣

『あ、おかえり。』

そう、このAちゃんが檜山くんの会いたかった子。

檜山くんが高一ときに一目惚れした女の子。

大学デビューと同時に同棲を始めました。

檜｢家で待ってればいいのに寒かったでしょ？｣

『ううん、カイロ持ってきたから大丈夫！』

ほらって手のひらにカイロをのせて見せてくれます。

檜山くんはその手にサラッと自分の手を重ね歩き出します。

これに驚きもしないのがAちゃんなんですよね。

檜｢今日はなにしてたの？｣

『んー、特になにもしてなーい』

檜｢また、お昼まで寝てたの？｣

『だってこせくん出る前に起こしてくれなかったもん』

檜｢起こしたよ！起きなかったんでしょ｣

『起きるまで起こしてよ』

檜｢そんなことしてたら俺が遅刻します｣

言い合いみたいだけどなんだかんだラブラブなんです。