【文スト】裏に隠したメッセージ。【短編集】

ゴーゴリver. ◆いっちゃん様 リクエスト ページ10

Aside
ゴーゴリさんと出会ってから約１ヶ月が経とうとしている。私達の出会いを簡単に言えば所謂軟派というあれ。軟派というより、一種の勧誘と言った方がいいか。

何故なら彼“ら”が私に声をかけたのは他に目的があるからだとか言っていたから。興味は無いけどね。

その時は私が丁度彼氏に振られて、心をすり減らしていたときに声をかけてきたのが彼。最初は《振られた女の懐に入り込むなんて》とずっと警戒していたけど、全く下心なんて見えなかった。ただずっと、純粋な気持ちで隣にいてくれた。

余りにも能天気なその言葉に、苛立ちを隠せないこともあったし、思いっきり言ってやりたい、そんな気持ちもあった。けど、色々とお世話になっている手前でそんな我儘は言えない。

何より、







＿＿＿＿＿いつしか、彼に想いを馳せるようになっていた。




馬鹿みたいだよね。

最初はあれだけ下心が、軽い男が嫌で距離を置くようにしていたのに。いつからか、自ら踏み込まんとしているのだから。

だけどきっと、彼は変なところで目敏いから。この気持ちがバレるのは時間の問題なんだろうな。



そう、時間の問題。だから離れるとは行かなくとも、距離を置いて少しずつ遠ざけたかった



のに。




なんで今、






ゴーゴリさんと2人でハイキングに来ているのだろうか＿＿＿＿＿




事の発端は今朝。
朝の日差しを浴びながらシグマ君と談笑していたところ、フョードルさんが急に割入っては業務だと押し付けてきたのだ。拒否権はないですよ、行ってらっしゃいと言って。




そして今に至る。絶賛ゴーゴリさんに振り回されている最中で、その能天気さにもう疲れそうだ。




暫く歩いていると、湿っていた土が段々と乾いていき、そして太陽の強い明かりがジワｯと肌にくる。

反射的に周りを見渡せば、今まで見たこともないような。空がいつもより一際大きくて＿＿＿＿＿＿そして周りを彩る植物達が綺麗で、これほど風光明媚という言葉がピッタリな景色は他にない、そう言い切れるぐらい全てが美しい風景。

声の出し方も、息の仕方でさえ忘れる程に。





そんなとき、ゴーゴリさんにいきなり声をかけられる。
ゴ｢ハーハハハ！Aちゃん大感動してるね！よかったよかった｣


ゴ｢さてそんなAちゃんにクイズ！………んー、なんだっけなぁ………思いだせな…あっそうだ、思い出した！よく聞いててね！｣
















ゴ｢空が綺麗だよね！Aちゃん！！｣

条野 採菊ver. ◆綾瀬川様 リクエスト→←江戸川 乱歩ver.

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