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受け取ってくれ、と渡されたちょっと小洒落た小さな箱。
最初の方だかに言った紺色が好き、というのを覚えていたのだろう。その箱は綺麗な紺色をしていた。
ありがとう、とだけ口にして、まじまじと見つめていると
シ「…開けるのは何時でもいいが、ただ、感想が欲しい。…ぇっと」
それから、これは日頃の感謝だ、と付け加えた。
少し寂しそうに目を伏せたシグマを見て、妙に話が違う様な気がするが、嬉しいことには変わりないので笑顔でもう一度感謝を述べた。
すると彼は嬉しそうに綺麗な髪を揺らし背を向け、自室に戻って行った。
何時でもいいとは言ったが、あの様子だと今直ぐにでも見た方がいいなと思い、箱をそっと開けた。
そこに入っていたのは、紺色と白の控えめなデザインが施された腕時計だった。
腕時計。
危うく腕時計を落としてしまう所だった。
本当に、運命なのかと思ってしまいそうだった。
薄々気づいていたのかもしれない。
何も持っていないと言えど、あんな突然に名乗られ、更にはあんな誰にも言えない様な事情まで軽々と私に話した。
同情を誘ったのかと考えていたが、違う意味でそうだったのだろうか。
彼に他にどんな事情が隠れているのか迄は知らないが、ただ住む場所が欲しいのであれば不動産屋にでも行くべきなのだ。
そんな状況で私にしか訪ねることがなかった、というのは1つしかない。
きっとこれは自惚れでは無い。
おおよその事は自分が“存在”を認識されたときに知り合った人にでも言われたのだろう。(創り出された、という可能性もあるかもしれないけど)
交流が続いてればの話だが。
そう気づいてるように、
彼は私の裏に隠れた気持ちに気づいていたのだろうか。
それとも、私が彼を捨てる様なことをしないと分かってのことだろうか。
本当に、ただの日頃の感謝だけなのだろうか。
本人にこれはどういう意味で送ったのか聞けばまぁ、わかることなのだが。
どっちにしろ彼は割と狡い人である可能性が出てきたので、ちょっとだけ悪戯をしてみたくなった。
居場所が無かった彼と、彼への居場所を与えた私。
この状況から考えたらこの腕時計を贈る意味は特に無いのだと思う。
でも、私達だけのこの関係では別物。
きっとこれは。
そんな私達だからこそ簡単に通じ得る告白の仕方なのだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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水菜(プロフ) - 綾瀬川さん» 綾瀬川さん、リクエストありがとうございました!お話が完成いたしましたのでご報告させていただきます! (8月26日 16時) (レス) id: c1a8a22eac (このIDを非表示/違反報告)
水菜(プロフ) - 綾瀬川さん» 本当ですか、、ありがとうございます!条野さんですね、了解しました🥰 後で覗かせて頂きますね! (8月23日 22時) (レス) id: c1a8a22eac (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬川 - すごいです、、、、 私は最近、利用し始めたので、こんなふうに書けるといいなって尊敬します!リクいいですか?できれば条野さんを書いてほしいです❗よろしければ私の作品も覗いてください、、、、 (8月23日 8時) (レス) @page6 id: 161a01b196 (このIDを非表示/違反報告)
水菜(プロフ) - 眠いちゃんさん» ありがとうございます!!全て…!?凄いロマンチストですね!尊敬します! (6月8日 17時) (レス) id: c1a8a22eac (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 隠された意味全部分かったので私はロマンチストです() 最高過ぎます!! (6月8日 13時) (レス) @page1 id: 07b28c2f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水菜 | 作成日時:2023年4月7日 16時