5歩、 ページ7
Aside
準備、と言ってもやらなきゃいけないことは結構ある。
親友にも協力して貰わなきゃいけないしね。
そして何より、太一個人ではなくて、白鳥沢男子バレー部の情報が必要になってくる。
太一自体は忙しくはないだろうし？
となると…どうしても太一と関わりのある人がいなきゃならないんだよね。まずは見つけなきゃ……！
よし。
そうと決まれば、同級生達から聞き込み調査開始だ！！
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川西side
俺は昔っから、いわゆる“逃げ癖”というものがあるやつだった。自分にとって都合が悪くなれば逃げたし、怒られれば逃げ、怯めば逃げ……逃げてばっかで。
この性格は一向に直ることはなく、周りに迷惑かけてばっかの人生なのだ。
それでも、ここまでバレーを続けることが出来たのも、Aを大事にできるようになったのも、或いは俺が今生きていることさえも、全て幼い頃からの友人達のお陰だった。
……そんな友人達から俺はとんでもないことを押し付けられようとしている。
友A「いや、全然とんでもなく無いぞ」
え、今声に出してないよね？なんでわかったの？
友B「というか本当にやんなきゃ終わるかんな。あと川西は意外と分かりやすいぞ」
え、嘘だよね？
俺がわかりやすいわけ…
川『でも…なんで今になってだよ』
友B「別に、今すぐやれとは言ってねーのよ。只、やり直したい〜。だとか、忘れらんなくてまだ好き、っつんなら今がちょうどいい時期だかんなっつう話。」
川『いや、だから、なんでお前がわかるn友A「いや、じゃねぇよ！それぐらい分かるだろ！何年一緒にいると思ってるんだ。いい加減その逃げ癖？直せ！
………それに俺はAとも長く友人Aをやってきてるんだ。お前ら2人のことなら俺がよく分かってる。
中学んときのあれだって、1度たりともお前を責めたことはねぇんだ。」
それが何よりの証拠だろ、って。
あぁ。
友B「だ、そうだ。」
あーあ、そうだった。こいつらは、こういうやつだったよな。
川『……っﾊｧ』
友B「おー？？どうしたのかな太一くん♡」
友A「なんか目元が赤いぞ♡」
川『うぜぇ。でも、決めた。お前らの言う通り、迎えに行くわ』
友A「おう、バッチリ協力してやる！」
………でもやっぱり怖い、かも。
弱虫だなぁ…何も変われてないな、俺。
それでも、ちゃんと迎えに行くから。
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作者名：水菜 | 作成日時：2022年12月11日 16時
