2歩、 ページ4
白布side
厳密に言えば太一は、最初からここまでモテていた訳では無いかった。
そこそこモテていたのは確かだが。
爆発的にモテるきっかけになったのは、俺らが1年のときの文化祭…要は約半年以上前のこと。(だと天童さん達は言ってる)
白鳥沢学園は、確かにバレー強豪校として名を馳せているが、それを抜きにしても県内随一の名門校というのもあり、うちの文化祭というのは通算万単位もの人で賑わう。
県内だけでなく、県外から来る人も沢山いるのだ。
つまり。
そんな万単位の人数が来れば、必然と言うか。
客間でのトラブルやいざこざが毎年頻繁発生するらしい。
毎年恒例だし、大体のところは些細であったため、誰も心配などしていなかった。
が、しかし。半年前の文化祭では…
殴り合いにまで発展したトラブルがあった。警察を呼ぶ程の。
最初は、客と客でよくある些細な揉め事だったらしい。
ただ、痺れをきらしたのか、余程のせっかちだったのか。
中々意志を曲げない客にもう片方の客が手をあげたのだ。
手をあげた、というのも平手ではなくグーだったらしい。
更に運の悪いことに、ただでさえ人通りの少ない場所にも関わらず、その時間帯ピンポイントで別の盛り上がりを見せていたのだ。
これが1番最初に見かけた女生徒が急いで近くの先生を引っ張ってきて発覚したこと。
いずれその場の人達だけでなく、この騒ぎを聞きつけた客、俺やバレー部員を含めた大勢の人達がザワついていた。
先生が数人ががりで説得しようとするも全くもって聞かない。
が、そんな中でも中々収まらず、遂に本気の殴り合いになろうとしたときだ。
？？｢そーゆーのはこーこでやっちゃいけないと思うンスよねぇ｣ｿﾛﾘｯ
ﾊﾞﾚｰ部｢……は、、？｣
よく透き通り、間延びした声。
そんなときに現れたのが、太一だった。
隣にいたのは確か第1発見者の彼氏だった気がする。
俺らバレー部員や外野、更には先生までも太一の突然すぎる登場に固まっていたが。
太一自身は淡々と両方の客側から話を聞き、質問したり、せっせと迅速で的確な対応をしていた。
そこからは色々と早く、呼んだ警察が来るころには2人とも和解していたぐらいだ。
警察は太一や周りの人からの話を聞き、2人の客に注意するだけとなった。
その次の日から、爆発的にモテ度が伸びていたのだ。
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作者名：水菜 | 作成日時：2022年12月11日 16時
