11歩、 ページ14
川西side
でも、
もしも本当に
隣に誰かいたら？
今更すぎるなんて言って嘲笑われたら…？
Aはそんなこと言わないと思いたいけど…怒ったら怖いし…
どうしよう、そんなこと言われたら今度こそ立ち直れないかも。
あーもう。
どんどんとネガティブになっていって、万一にもない想像までしてしまう。
この癖は自分でも直したいと思ってるけど、やっぱ無理だ。
あぁ、なんかホント最近ダメダメだよな俺。
ダッサイことばっかやらかしてるし……
(どうしたらいい？)
心臓の辺りがプツッと音を立てて“イタイよぉ”なんて嘆く声が聞こえる。
痛い？
俺が？
何で？
きっと、痛いって、痛かったって叫びたいのはAの方の筈だ。
俺にそんなこと思う資格は無いんだから。
あぁ…でもほんとにどうしよう…考えただけで頭痛ぇ……
ｼｭｯ
は、なんか頬が…
川『ｱﾁｯｯｯ!!』
あぁ…？あ、缶コーヒーか
白「ﾌﾟｯ……あげるわ、それ笑」
川『いや笑うなよ……ありがとうだけども』
結構びっくりしたし
白「…だってお前、俺がこの部屋出てったのにも気づいて無さそうだったし」
考え事でもしてたのか、と問われる。
あぁ、何だかんだでコイツは優しいもんな。
でも。
川『まぁ、ね、太一くんにも色々あるのだよ♪』
ここはテキトーに誤魔化そ…
と思ったのだが、
何故に黙り込む。
まぁ、缶コーヒー(奢りで)くれたので良しとしよう。
白「……いや、何も無いんならいい」
と言いながら自分の机に向かった。
白布も課題か。
俺は後物理のプリントだけだから直ぐ終わるな……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
白布side
……太一が何か隠しているのは知ってる。
知った上で全てを受け入れて、ルームメイトとして、いや親友として。
付き合っていくつもりだった。
が。
時々ああいう憔悴しきった顔を、見せるだけで。
何も教えてはくれない
どんなことがあっても、さっきみたいに分かりやすく誤魔化す。
まるで、これ以上踏み込んでくるな、と制止されてるようで。
余計に心配が増すんだよ、アホ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水菜 | 作成日時：2022年12月11日 16時
