・ ページ8
五条がAをどうにかすると宣言した日。放課後、五条は一人で女子寮に来ていた。
「めんどくせーー」
自分で言ったのにやはりめんどくらいらしい。どうやら家入は居ないようだ。そのことを確認してから部屋の前に立った。
「おい、ひきこもり!!」
そして思いっきり叫ぶ。五条の性格なのでお察しの通り…………、ノックはしていない。
「…………」
耳を澄ましても辺りは静かだ。返答は帰ってこないよう。
「このまま返事しなかったら、この扉ぶち壊すけど?」
俺が五条家の人間だって、わかってるんだよな?と言う。脅しである。脅しでしかない。
「…………………。君は、」
数分後、いい加減壊してやろうかと五条が思ったときだった。ようやく彼女が喋る。
「強いんだね」
その質問に五条は首を傾げた。
「勿論だけど?だって俺達、最強だし」
「俺達?」
「俺と夏油。二人いれば最強」
「ふーーん」
五条の自慢話を聞く、扉越しに聞こえる彼女の声は、何処か楽しそうだった。
「なぁ、甘いものは好き?」
「好き!!」
「すごい食いつき。今、ショートケーキあるんだけど「食べる!!」……すごい食いつきだな」
「んー、じゃあ、後ろ向いて」
その命令に素直に答える。いいよ。という声に部屋の扉を見ると、袋が。その中にケーキが入っているようだ。
「それ、あげるから、今日は帰ってくんね?」
「帰る!!……てか、ひきこもりは食べねぇの?」
「食べない。いいよ、どうぞ遠慮なく」
その言葉に甘えて、五条は見事にケーキを持って帰っていった。
「………私の名前、槲Aだし。ひきこもりじゃないっつーの。
てか見事に引っかかってくれたな。甘い物あげる作戦。
これでうまく話題避けるか」
彼女のつぶやきは、五条に聞こえない。
次の日。五条はまたやってきた。ケーキの感想を言いに……らしい。そしてまた甘いものを貰った。
夏油が帰ってきた日。本日は余りにも甘い物の量が多かったので、廊下で食べていたということだ。
「…………、お前それ、話題避けられてるだけじゃん」
再び最強は、視線をそらした。
**
宣伝
好きです、貴方の手が!!【呪術廻戦】【五条悟】
新作ばかり作る私を誰か殴ってください……。
そしてお気に入り登録者数100人ごえ、ありがとうございます!!
169人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ