海賊短編部屋 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:30,478 hit

バスタイム(ベックマン) ページ6

｢入るぞ｣

｢ぇえ、なにこの拒否権ない感じ･･････｣

湯船につかり、のんびりとバスタイムを楽しんでたらいきなり彼氏であるベックが入ってきた。
いや、いいけどさ･･････。

若干呆れつつ受け入れると窓際で外(といっても海底)を見ていたわたしの隣に並んで座り、ベックも泳ぐ魚に目をやっている。
風呂に乱入していきなり襲いかかるなんてゲスなことをしないから安心できる。

｢書類整理はいいの？さっき忙しそうにしてたけど｣

｢気分転換だ｣

｢ぁあね｣

｢お頭にはたっぷり溜めていた書類を置いてきた｣

｢鬼だ･･････(笑)｣

「自業自得だ」

ドンマイ。と思いつつ同情は一切していない。
ベックも大変だなぁとぼんやり思っていたら、外を見ていたベックの視線が自分に向いてることに気付いた。

「どしたの？」

「なにがだ？」

「いや、こっち見てたから……」

「自分の女がこんな無防備な状態でいるのに見ないのは勿体ねぇだろ」

「だってお風呂だし、一緒にいるのベックだし…。
そもそもわたしが1人でいるとこに乱入してきたんじゃないの」

気付いたら背中は窓にくっついていて、目の前にはベックの胸板。
なんでナチュラルに追い詰められてるんだ！
ぇ、いつのまに動いたの？この人。

少し驚いていると顔の横にすっと腕が伸び、屈んできたので目の前は胸板から彼の顔に。

「信頼しすぎもよくねぇな」

「だって……」

足を三角座りのように立て、腕で胸元を隠す。
今さら感はあるけどささやかな抵抗くらいはしたい。
ベックは手は出さないけど、距離だけは縮めてくる。

「ベック…。逆上せそうだよ……」

「お前なぁ……」

何故か「はぁ…」と溜息を吐かれたかと思うと、ちゅっと音を立ててキスをされた。

「今はこれで勘弁してやるけど夜、覚悟しておけよ？」

そう言って彼は出て行ってしまった。
ぇえ……。マジかよ…。
お頭さんに宴してくれって頼もうかな。って思ったけど、その騒ぎに乗っかって逆に部屋に連れてかれそうな気がする。
結局はなにをしても未来は変わらなそうだと気付き、潔く諦めた。

---------------------------------------------------------
副船長権限と長年の付き合いから得たシャンクスへの弱みをフル活用して、ヒロインちゃんのために好きだと言っていた大浴場を作ってあげたベックマン。
終盤溜息を吐いたのは、無意識に上目遣いされたからです(笑)