海賊短編部屋 (ページ24)

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お酒の力(イゾウ) ページ24

「またこんなとこで酒飲んでたのか」

「ぁ、バレちゃった」

「バレちゃった。じゃねぇだろ」

わたしはこの人気のない倉庫がお気に入りだ。
窓から月夜や海がよく見え、絶好の酒飲みスポットだった。
だからお酒やつまみを持ち込んでよく1人で飲むんだけど、いつからかイゾウさんもやってきて一緒に飲むようになった。

「まぁ、いいじゃないですか。共犯なんだから」

そう言って持ってきていたお猪口を渡し、酒を注ぐと溜息を吐きながらもぐいっと飲んでくれた。

「お前、飲みすぎじゃないのか？」

「イゾウさんが来るの遅いんですよ」

近くに転がってる空き瓶を見ながら呆れてるようだけど気付かなかったことにする。
酔っているのをいいことにイゾウさんに寄りかかってみる。
何事もないように酒を飲み続けるが内心ド○○キだ。
でも酔っ払ってるからやっちゃった。だから顔が赤いと言い訳ができるのでお酒様様だ。

「急にいなくなっておいて何言いやがる」

そんなことを言いながらわたしの肩に腕を回し、お猪口を差し出してくる。
注げ。ということだろう。
普段はお互いにベタベタする事なんてないのだけど、こういう時だけね。
そもそも付き合っていないんだけど。
なんて考えながら注ぐとぐいっと飲み干しまた差し出してくる。

「いつイゾウさんが気付いてくれるかなって思って。てかペース早くないですか？」

注いでは飲みを繰り返して開けたばかりのお酒がもう空になった。
強い方だとは思うけど一応心配だ。
顔をちらりと見ると少し赤い気がする。珍しいな……。

「これくらい平気だ」

「いやいや、万が一潰れてもわたし運べないですからね？」

「ならここで一緒に寝ればいい」

「わたしを巻き込まないで下さい」

色気ムンムンで言われてもそこは同意できない。
イゾウさんと一緒は嬉しいけど、こんな埃っぽくて荷物ばっかのとこで寝たら体が痛くなりそうじゃないか。

「さっき共犯だって言ったのはAだろう？」

「そういう意味で言ったんじゃ……」

「まぁ潰れないから安心しろ。ほら空になったから入れてくれないか？」

空のお猪口を差し出され渋々注ぐ。
肩に回ってる腕の力が強くなってるのは気のせいだろうか。
結局この状況は嬉しいのでまぁいっか。と思うことにして自分のお酒に口をつけた。

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隊長と平隊員なので普段はあっさりとした付き合いです。
会ったら話すくらいの。