海賊短編部屋 (ページ18)

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かまってちゃん(シャンクス) ページ18

「今回は結構溜めたんだね」

「気抜いてたらこんなんなってた」

最近わたしとのんびり過ごしていたのでその間に仕事が溜まっていたようだ。
シャンクスはこういうのめんどくさがって嫌々やるタイプだと思っていたけど、どうやら仕事自体はできるけどコツコツやるのが苦手なだけみたいで、溜めて溜めて一気にやるタイプだった。

わたしは仕事の手は止めないけれど、返事を返してくれるシャンクスを眺めながらソファーに座ってぼへーっとしてた。

「お茶入れる？」

「いや、大丈夫だ」

「そっか……」

集中したいのだろう。
段々こちらに視線をむけてくれなくなり、口数も少なくなってきた。
寂しいな……。
でもお仕事の邪魔はしたくないので口には出さない。

しばらく終わらなそうだし外に出てこようかな。
そう思って立ち上がりドアノブに手をかけると、わたしの手の上に別の手が重なった。
さっきまで机にいなかったっけ？と思うけど、まぁ四皇だしこれくらい普通かと変に納得してしまう。

「どこに行くんだ？」

「暇だし邪魔したくないからちょっと出てこようかと」

「かまってやれなくて悪い。でも行くな」

「ぇー？」

「近くにいてくれ」

1本しか腕がないのに手と手を重ねたまましっかりと後ろから抱き締められる。
しかも耳元で喋ってくるからゾクゾクしちゃう。

でも言う事聞いてなんかやんないもんね。

「嫌だよ。わたしは外に行くもんね。
近くにいてほしかったら早く仕事終わらせて迎えに来てね」

密着して動きにくかったがなんとか身体をよじって向かい合わせになり、シャンクスの頬に軽くキスをした。
普段わたしからはあまりしないのでぽかーんとしていたが、そのうちにわたしは逃げ出した。

「さて、どこに逃げようかな」

逃げる時にわたしは見てしまった。
にやっと笑うシャンクスの顔を。
余計な火をつけた気がするし、捕まったらしばらく離してもらえない未来が見えるから本気出して隠れよーっと。

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嫌だから逃げるわけじゃなく、かまってほしいから逃げる的な。