【Fischer's】公認彼女【短編集】

＊結構遅れたバレンタイン ページ9

『ん〜。うま。』



アーモンドチョコレートを食べながらYouTubeを見る。



広告で母の日はガーナの…なんちゃらかんちゃらって…めんど。

ガーナってバレンタインだけかと思ってた。


バレンタイン


バレンタイン？？




そういや

私シルクにバレンタインあげたっけ



まて、今五月だよ。


あげてもしゃーないか


でも、少しくらいなにかしてもいいよね



いつもお世話になってるし…さ？？







『シルク…ちょっとそこまで。』



｢お前はめいちゃんか笑

あ、俺もついてくかー？｣



『んーん…ありがと。でも大丈夫。』



｢そうか｣



あらかさまにシュンとした顔を見せたシルク



『すぐ帰ってくるから。まってて。』



｢おう。気ィつけてな。｣



そんな彼の言葉を聞き

家を出る。



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『ほー…ペア？？』



お揃いのでいいかな？？


雑貨屋に入ってうーんと悩む



すると



｢ペアセットお探しですか？？｣


なんと優しそうな定員さんが声をかけてきた。





『あ、はい…あの。彼に何あげたらいいかなと…』



｢そうでしたか。あ！それならそちらのマグカップはいかがでしょう？？｣



『コップ？？』



｢はい！日用品ということもありますし、色違いとかはどうでしょう？？｣





確かに…可愛いかも。





『…なるほど』





マグカップがズラッと並んでいる中で

目が離せなくなったコップが一つ。


シルクっぽい。

黒！って言うわけでもなく、派手！って言うわけでもなく、こう…丁度いい。


それとは別に色違いのコップも思わず手に取りじっと見つめてしまった。





｢そちらに致しますか？？｣


『あ…すいません。

はい、お願いします。』



｢お客様、彼氏さんのこと大切になさってますね！笑

今までプレゼントを選んでいく方の中で1番優しい表情をなさってました！

彼氏さんもさぞかし嬉しいでしょうね笑｣



フフッと定員さんが笑った。

それにつられて私も微笑んだ。


『はい。とても大切な彼です笑』





そしてお会計を済ませ



家に戻った。



季節外れの


【HappyValentine】のカードも入れて。

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