【学園アリス】たからもの【男主】 (ページ10)

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長期任務から帰ったのは朝方。

眠さもピークにまで達していたため、報告は目を覚ましてからしようとその日はそのまま寝た。

のが悪かったのか、翌朝報告に行けば、そこにいた校長は不機嫌オーラを隠しもせず俺にぶつけてきた。

いや、だって、ほら。

疲れてるわけよ。

１か月の長期任務だよ。

睡眠なんて毎日３時間あればいい方だったんだから。

時には徹夜な日もあって…

なんて奴には関係ないか。

触らぬ神にたたりなし。

報告だけサラッとして立ち去ろう。

なんたって、今日は授業がある。

任務から帰ってきてすぐ授業とか、学生だったらボイコットしてるところだ。

「神凪先生、まだ話は終わってませんよ」

背を向けようとした俺に奴の静止がかかる。

また何かあるのか。

今度はなんだ？

「灰人が３週間前に棗ともめてね。アリスを使おうとしたため、１か月の謹慎処分になっていてね。父親には一応報告しないと、と思ってね」

その言い回しがまたむかつく。

でも１か月って。

長すぎやしないか？

謹慎となると、食事だって制限される。

トリプルである灰人にとっては天と地くらい差があるだろう。

「それを３週間にして、今、謹慎を解除することは可能なんですか」

「下すのは私だからね」

それすなわち、できなくはないということ。

ただし、そんなに甘い人間ではないことも十二分に理解している。

どんな条件を出されても、俺は受け入れよう。

大切な「たからもの」を守るためだから。