【学園アリス】たからもの【男主】 (ページ5)

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①-3 Side:蛍ページ5

蜜柑を迎え教室に戻ると、あろうことかあのバカは早速日向棗に突っかかっていた。

私は我関せずを装いコッソリと蜜柑を見守る。

照れ臭くて言いはしないが、蜜柑は私にとってすごく大事な存在で。

泣かせでいいのは私だけ。

だから、少し抜けてておっちょこちょいで、天真爛漫な彼女を放ってはおけない。

棗の取り巻きが騒いでいると、近くの扉が突然開いた。

そこに現れた人物に教室が凍る。

同い年の少年。

彼の名は神凪灰土。

彼が向かった席では、少女が寝ている。

彼女は神凪桃花。

灰土の双子の姉である。

全く似ていない、二卵性の双生児。

そんな彼女が灰土に言った言葉に、蜜柑が反応した。

本当にあの子はバカなんだから。

4つの目が蜜柑に向く。

「誰、こいつ」

先に口を開いたのは灰土の方だった。

「知らない」

桃花は興味もなさそうに寝る体勢に入る。

「お前、なんで来てんだよ」

次に声を発したのは棗。

この様子を見てお分かりの通り、灰土と棗はすこぶる仲が悪い。

先程でた"謹慎"もこの2人のトラブルが原因だったりする。