��-2 Side:蜜柑 ページ4
オカマさんこと、鳴海先生に拾われ、アリス学園への入学を果たした。
まだ"仮"ではあるが。
蛍とも再会でき、あの変態、日向棗と出会わなければ、最高のスタートが切れたというのに。
そう、あの変態と出会わなければ。
「これから君が入る初等部B組で君がクラスメートと仲良く協調性をもって受け入れられればいいだけの話だよ」
鳴海先生はそう言っていた。
簡単じゃん。
そう思ったうちがバカだった。
ドアを開けられ、中に入るとそこは混沌としていて。
促された後ろの席に座れば隣にはなんと先ほどのヘンタイちかん男が机に足をあげ、デカイ態度で座っていた。
その雰囲気でわかった。
あいつがこのクラスのボスだと。
「俺はお前と仲良くなんてするつもりないから」
「へ！じゃぁ、退学決定ー」
「ばーか、入学もしてねーのに、退学もなにもないだろ」
変態の周りが笑い出す。
それも我慢の限界で、口を開こうとすれば前のドアが開いた。
「煩せ」
入ってきたのは1人の少年。
彼の第一声に、煩かった教室内がピタッと静寂に包まれた。
少年はそんな教室を横切り、窓際の一番後ろに座る少女の横にドカリと腰を下ろす。
通路を挟んで隣だったのに、少女がいることに全く気づかなかった。
「こんなのいつもよ。久しぶりに来たくせに何文句言ってんの」
眠そうな声で少女が答える。
「それに、あんたまだ後一週間あるじゃない。謹慎期間」
「き、謹慎・・・？」
訳のわからないウチがその言葉に驚いていると、蛍から何かが飛んできた。
涙目でそちらを向けば、黙れと顔に書いてあった。
なんで・・・？
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作者名：夏生莉緒 | 作成日時：2017年5月2日 0時
