��-38 ページ18
優等生賞など無関係な俺は今までろくにテストを受けてこなかった。
だからだろう。
朝教室に行けば騒めきが起こった。
既にそこに我が弟の姿もあったものだから、余計周囲は驚きなのだろう。
その中でも違う視線をよこす大人1名を無視して、テストの準備をした。
特に理由なんかない。
ただの気まぐれだ。
暇だから。
それに限る。
テストの監督に現れたペルソナを追うように出て行った棗。
棗の言いたいことはわかる。
でも、ペルソナのその意図もわかっているから。
俺は追ったりしない。
教室を出て彼らとは反対の方向に歩いていくと、向こうから変態似非教師がその顔に気持ち悪い笑みを貼り付けながら歩いてきた。
まるで何も見なかったかのように踵を返せば、伸びてきた手に首根っこを掴まれる。
心身ともに苦痛を感じた。
体罰だ。
なんて文句が通じる相手でもない。
「なんで逃げるかな〜〜。テストはどうだった？いい点とれそう？」
一つだけ教えてやろう。
国語は白紙0点。
コイツの良いところとか書けるわけがない。
なんなの？
バカなの？
ナルシストめ。
「ま、君たちがテストを受けること自体が珍しいからね」
きっとペルソナも同じことを棗に言っているのだろう。
「いい変化だね。このまま……」
それが無理なことくらい、こんな自由がいつまでも続かないことくらい、わかってるくせに。
それでもそう願い続けるあんたが、本当に苦手。
ペルソナを追いかけたのが俺で。
ここでコイツと話してるのが棗だったら、どんなに良かっただろう。
コイツのこういう擽ったい優しさに触れなければいけないのは、俺ではなく、棗なのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒猫(プロフ) - 応援してます。 (2017年10月12日 20時) (
レス) id: 124b1853e4 (このIDを非表示/違反報告)
夏生莉緒(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます！元気が出ます(´∀｀*)更新頑張ります(°▽°) (2017年10月12日 20時) (レス) id: 2edd3a8b2d (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 本当に面白いです。更新頑張ってください。 (2017年10月12日 19時) (レス) id: 124b1853e4 (このIDを非表示/違反報告)
夏生莉緒(プロフ) - ☆★SON★☆さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(*ﾟ∀ﾟ*)更新頑張ります！！ (2017年4月17日 21時) (レス) id: e4fd432e8c (このIDを非表示/違反報告)
☆★SON★☆(プロフ) - 本当に面白いです！色々と大変かも知れませんが更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2017年4月17日 19時) (レス) id: a8a1969d06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏生莉緒 | 作成日時：2017年2月20日 21時
