【テニプリ】黄蝶【男主】 (ページ34)

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「……関係ないことだよ」

君には、と付け足し視線を下げる。

「関係ある」

静かに放たれる言葉の中には強さもあって。

彼の怒りのようなものが込められてるような気がした。

彼は確かに感情の中でも“怒”をわかりやすく出す人間だが、静かに怒りを表現されるのも結構恐ろしい。

「俺もそれ知りたいっス！！」

「僕も！！」

さっきの知らない発言でショックを受けていたのか、今まで言葉を発さなかった切原君が突然食いつき、奏斗もそれに続いた。

「知って何になるの」

「お前にもう一度テニスを「やらないよ、もう」」

真田はこんな奴だったか、と考えながらも、その言葉をはっきりと遮る。

もうテニスはしない。

決めたんだ。

ラケットも持たないし、コートにだって立たない。

「嫌いになったじゃないんでしょ？」

後ろから聞こえる奏斗の声が、俺の心を締め付ける。

「嫌いだよ」

嫌いだ。

テニスなんて・・・。