【テニプリ】黄蝶【男主】 (ページ31)

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練習試合が終わり、着替えを済ませると、監督に呼び出された。

「せっかくなんだし、今日は実家に帰れ。明日も休みだから、ゆっくりするといい」

なんの話かと思えば、そんなことで。

あまりここにいたくなかった俺は、でも、と抗議するが、それは受け入れられなかった。

皆が乗るバスを見送りながら、俺はこのあとどうしようか考えていた。

「兄さん！？」

俺も一緒に帰ったのかと思ったのか、奏斗が驚いて近寄ってくる。

「今日は実家に帰れって言われたよ」

「じゃぁ！」

「……テニス部は？」

「とっくに終わったよ！兄さんを待ってたんだ！」

笑顔で嬉しそうに話す彼。

弟はやっぱり可愛いな、と俺もつられて笑顔になった。

「一緒に帰ろ！」

俺を待ってたくらいだから、何か話があるんだろう？

まぁ、家で話せばいいか。

急かすように手を引っ張る彼に呆れながらも、自然と笑みが溢れた。

「三葉？」

そんなとき、後ろから声をかけられた。

きっと奏斗を呼んだもの。

でも、何故か最後にはクエスチョンマークがついていて。

「真田副部長っ！！」

「真田……？」

振り向いた奏斗の言葉で聞いた彼の名前には聞き覚えがあった。