【テニプリ】黄蝶【男主】 (ページ4)

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「ごめんね、うち、女の子のマネージャーはとってないんだよ」

先ほど彼女に声をかけたマネージャーが彼女に告げる。

彼の顔には苦笑いが浮かんでいた。

「あれは絶対先輩目当てですね」

「何言ってんだ」

隣りにいた後輩に言われ、俺はそっけなく返す。

「先輩はわかってないっすよー」

「何が？」

「いや、良いすッ」

口々にそういう後輩とそれを見て笑う3年。

俺たちの中に堅苦しい上下関係は無い。

「省吾ーー、ドリンク！！喉乾いて死にそーー」

いまだに粘られている可哀想なマネージャー、青井省吾に声をかけた3年生。

彼を解放してあげるためだろう。

しかし、女の子の方もなかなか引いてくれない。

仕方なく立ち上がってそちらに向かおうとすると、省吾がチラリとこちらを見た。

なんだ？

ついに諦めたのか、彼女は名残惜しそうに帰って行った。

何を言ったんだ？

ま、諦めたのならいいか。

「選手よりマネージャー志望の方が先に来るとはね」

省吾からドリンクを受け取りながら彼のボヤキを聞く。

俺もさっきそう思ったよ。

「でも、マネージャー必要だろ？」

省吾も3年生だ。

引退はもちろん俺ら選手と一緒。

2年生にマネージャーがいないため、1年生のマネージャーが必要なのだ。

「確かに必要だけど、女子じゃねぇ」

なんか視線が痛い。

「マネージャーの件は俺に任せてよ」

口を出すつもりは元々ないが、一応頷く。

休憩時間の終了を告げるブザーが鳴り、俺たちは練習に戻った。