【テニプリ】黄蝶【男主】 (ページ28)

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②-7 Side:切原ページ28

今年1年に『三葉奏斗』という後輩が入部してきた。

はっきり言って弱い奴に興味はない。

俺は強い奴と試合をして、そいつを負かしたい。

だから、強い奴にしか興味を示さない。

それなのに、彼に声をかけ、彼に構い、優しく接し、面倒をみるのは、彼の苗字が『三葉』だから。

別に、三葉が大企業で金が目当てとかではない。

『三葉』という強い選手がいたから。

昔、俺がまだ小学生のころ。

俺よりも1つ年上の『三葉』という苗字のテニスプレーヤーが。

情報はそれだけ。

容姿だってうろ覚えだ。

整っていたことは覚えているが。

その時はテニスをすることしか頭になかったのだ。

なのに俺が小学5年生の時いきなり大会に現れなくなり、それ以来会っていない。

一度だけリーグで戦ったことがあった。

結果はもちろん俺の完敗。

その後、俺は彼に勝つことだけを考えて練習したのに、彼は姿を消した。

名前も聞かなくなった。

俺が最初に超えたいと思った人。

俺が最もリベンジしたい人。

入部してきた『三葉』という後輩の近くにいれば、彼に再び会えると思った。

彼との関わりがあるかはわからない。

でも、それくらいしか手がかりがなかったのだ。