【テニプリ】黄蝶【男主】 (ページ22)

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ついに選手権大会が幕を開けた。

俺らにとっては中学最後の大会だ。

東京都大会を準優勝で終えた俺らは、関東大会に向けて日々練習に精進していた。

テニス部も都大会を優勝で飾り、見事関東大会への出場権を獲得したらしい。

そういった部活が他にあるというのはいいことだ。

お互いに刺激し合って高みを目指せる。

ちなみにテニス部は校内ランキング戦を行うと聞いた。

なんか、チーム内の試合でレギュラーを決めるなんてすごいな。

俺らには考えられない世界だ。

「明日は遠征だからその準備な」

練習終わり間近で青井に言われ、明日が練習試合だということを初めて知った。

「どこ行くんだ？」

「ん？立海大付属中学校」

「は？」

だから、と繰り返すのは青井で、周りも俺らの会話に驚いている。

「なんでこの時期に……」

「んーー、なんか、いい刺激になるだろうって」

「そーだけど」

今回の遠征、俺はあんまり乗り気じゃない。

関東大会前に、神奈川の強豪校である立海大と試合をすれば、さまざまな情報を与えることになる。

もちろん関東大会で当たることだって十分に考えられるのだ。

遠征ということは向こうの学校に行くのだろう。

それはちょっと嫌だな・・・。

「あれ、そう言えばAって中学入る前、神奈川にいたんだっけ」

そう、青井が言うとおり俺は中学に入る前神奈川に住んでいたのだ。

今は訳あってこっちで独り暮らしをしている。