第13話 探り�� Side:安室 ページ30
やってきた人物はカウンターの1番端に軽く腰を下ろした。
長い足を組んでいる姿は、見惚れるに値するはずなのだが、生憎、僕は彼女の裏の顔を知っているため緊張感しか生まれない。
「ワインはあるかしら」
ふざけてるのか、この女。
ここは喫茶店だ。
酒など出すか。
「ここは喫茶店ですので、お酒は置いてませんよ。お酒が飲みたいのであれば他をあたって下さい」
彼女のおふざけに付き合うつもりはない。
「あら、冗談じゃない。つまらない男ね」
つまらなくて結構だ。
早く用件を言え。
どうせカルアのことだろ。
「ここ、サンドウィッチが美味しいって有名らしいじゃない。おひとつ下さる？」
はぁ、とため息をついて作業に入る。
「彼の捜査状況は？」
何かを探られているような目線やそんな雰囲気を作り出している沈黙が気に入らなくて話題をふれば、思い出したかなように口を開いた。
いや、その話をしにきたのだろ、あんた。
「そうそう、上層部がお怒りよ。貴方が捜索をしていない、って」
アホか。
したいのは山々だが、こちとら仕事がある。
暇なら探し回って1秒でも早く見つけ出したいさ。
自分の命がかかってるんだから。
「時間を作る努力はしていますよ」
作れないだけで。
「まぁ、いいわ。今の所情報は全くなし。目撃情報１つあがって来ない。不思議だと思わない？組織が総力あげて探してるのよ。いくら天才だからといっても限界があるわ」
確かにそうだ。
逃げるにしても、逃げた後。
生きていくためには閉じこもってるわけにもいくまい。
変装してる可能性もあるが、ここに変装のプロがいるのだ。
気づかないわけがない。
残る可能性は……
おいおい、待て。
このタイミング。
彼女がここにきてそれを話す意図。
「まさか、僕、疑われてます？」
匿ってると？
片肘を付き、サンドウィッチを食べる彼女に問えば、いつもの、あの嫌な笑みをこちらに向けた。
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夏生莉緒(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！更新頑張りますね^ ^ (2019年4月29日 18時) (
レス) id: 178bcf1535 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - とっても、面白いです＾＾ 頑張って下さい (2019年4月29日 18時) (レス) id: ba2dc2fbad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏生莉緒 | 作成日時：2016年8月15日 15時
